ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会 メルマガ第133号から「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」発起人の新垣邦雄さんからのニューストピックを転載します。
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*平和集会とG7サミット*
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争うよりも愛しなさい
5月21日、北谷町での「島々を戦場にするな!沖縄を平和発信の場に! 5.21平和集会」を地元2紙が大きく報道した。「争うよりも愛しなさい」のスローガン、沖縄タイムス1面の見出し、「手を振りデモ行進」が集会の雰囲気を表している。2月に続く集会の特色は若者世代が中心を担ったこと。拳を突き上げずに笑顔で手を振りながらの行進は、これまでの中高年層中心の殻を破る新しいムーブメントを象徴する。タイムス社説「平和運動に新風」。沖縄戦経験者から次世代の若者、市民層への運動の継承を捉え、「戦争に反対する幅広い市民運動が起きたことを高く評価したい」と締め括った。
ミサイルよりおむすび
社説が取り上げた「ミサイルよりおむすび」のプラカードは「路上生活者の食糧支援に取り組んできた『夜回りチーム結』のプラカード」だという。キッチンカーの店主は「戦争を体験した祖母の体に銃弾の傷跡が残る」。「戦争は嫌だ。誰も望まない。争いからは争いしか生まれない」、そのような思いでキッチンカーを出したという(タイムス)。集会のリレートークで石垣市出身の阿利斎生さん(25)は「一緒に行動を起こそう。幅広い世代が運動に関わることで声をもっと広げられる」と呼びかけた。
紙面で紹介された参加者の声も大学生から30代、8歳の児童など若い世代が多い。高校3年生の吉良結花さんは、「核兵器禁止条約への署名を日本政府に求める運動に参加」。「核兵器は大勢の人の命を奪う。核で守ってもらうという話は納得できない」と開催中の広島G7サミットの欺瞞性を若い感性で鋭く批判した。
私の子どもを国は守らない。私しか守れない。
自衛隊ミサイル弾薬庫建設に反対する沖縄市民の会の宜寿次政江さん(46)は小学一年の息子がいる。涙ながらにリレートークのマイクを握り、「なぜ天気が良い日に平和でありたいと訴えないといけないのか」、「沖縄戦を体験した人々の話が私の子どもに重なって見える」と次の沖縄戦の恐怖を我が子の命に重ねた。「私の子どもを国は守らない。私しか守れない」。子を持つ母親の思いを訴えた。集会は「願いは一つ。子どもたちのために、戦争のない平和な世界を残すこと」と県民共通の思いを宣言に込めた。
平和集会を伝える同じ紙面に「不発弾処理 患者ら600人避難 那覇市立病院 救急一時閉鎖」の記事が載った。「西普天間できょう不発弾処理」の記事も載った。戦後78年。沖縄の新聞には不発弾処理の記事が頻繁に載る。沖縄戦で何十万発の砲弾が島を破壊した。不発弾処理は今後数十年続くといわれる。沖縄戦の戦後処理も終わらぬまま、次の沖縄戦の戦争準備が沖縄の島々で加速している。その不条理に抗い、基地の島沖縄の人々は「人間の住んでいる島」を戦場にするなと訴え続けている。
サミットは大きな失敗
沖縄の声は日本政府、世界に届いているだろうか。平和集会を伝える同じ紙面に「G7サミットは大きな失敗」、広島被爆者のサーロー節子さんの声明が載った。被爆者らは核保有国や「核の傘」の下にある各国に「核兵器禁止条約」参加を訴えてきたが、G7の共同文書「核軍縮に関する広島ビジョン」に条約への言及はなかった。「原爆資料館で何を感じ、考えたのか。声明(広島ビジョン)には何も新しい内容はなかった」。「広島まで来てこれだけしか書けないのか。死者に対する侮辱だ」とも。
「自国の核兵器は肯定し、対立する核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」というサーローさんの批判は核心を突いている。核兵器を保有し「核の傘」で守られるG7が「我々の核は安全で抑止のため。対立する国の核は危険で世界の安全への脅威」とする独善と欺瞞に満ちている。
広島G7サミットはウクライナに侵攻するロシアと、米欧が次の目標とする中国を名指しに敵視し対抗することを宣言した。米バイデン政権が唱導する「民主主義陣営」対「専制国家」の乱暴な2極対立に世界を分断し、新たな戦争の危機を呼び起こしかねない。
バイデン米大統領は菅、岸田首相との首脳会談の度に「核を含むあらゆる能力を用いて日本防衛」と宣言し、日本政府は米国の「核の傘」に依存し続けている。「米国は正義」で「米軍の核は安全、抑止の安心供与」に役立っているのか。疑ってみるべきだ。
平和集会ではミサイル写真展も開催した。復帰前の沖縄に米軍は最大1287発の核兵器を貯蔵していた(1967年)。4カ所の地対地メースB核ミサイル基地は各8発を中国の「北京、上海、武漢、重慶などの主要工業都市に向けていた」。1962年のキューバ危機時に誤った発射命令が読谷村のメースB基地に出された(発射されずことなきを得た)。1958年の台湾海峡危機の際に米軍は中国福建省への核攻撃を検討していた。こうした歴史事実はNHKがドキュメント放送し、書籍化した『沖縄と核』(新潮社)に詳しい。メースB基地は核攻撃ミサイルに耐え反撃するため分厚いコンクリートで頑強に建造されていたという。
核自爆攻撃
『沖縄と核』は1998年の沖縄タイムス、琉球新報の新聞報道も記している。ミサイル展でも展示している。「米軍・沖縄防衛計画」の記事はこの年、米国で見つかった海兵隊秘密文書に基づく。敵国の侵攻に核兵器を使用して沖縄基地を防衛する。しかし「米軍が反撃能力を失った場合」に、「基地が敵の手に落ちるくらいなら、海兵隊は核兵器で自らの基地を破壊する」(『沖縄と核』)計画であった。1300発もの核兵器や嘉手納、普天間飛行場など重要施設をむざむざ敵に渡して使われるよりも、核自爆攻撃で沖縄を破壊する計画であったというのだ。参観者は「住んでる私たちはどうなるの」と声を失った。
ミサイル展は「佐藤・ニクソン核密約」の署名文書も展示した。1969年11月、両首脳は「72年沖縄返還、核抜き、本土並み」を発表した。佐藤首相はそれを手柄に衆議院を解散し自民党は大勝して翌年、日米安保条約が自動更新された。沖縄返還の両首脳声明の翌月に沖縄のメースB核ミサイル基地「解体撤去」が内外のマスコミに公開され沖縄の「核撤去」が宣伝された。「沖縄核抜き返還」は自民党の選挙戦術に利用されたのだ。その裏側で「核密約」が交わされ「緊急時の沖縄への核再持ち込み」が約束されていた。
「台湾防衛」の戦争準備
69年日米首脳声明は、復帰後の沖縄の米軍基地の自由使用、事前協議なき米軍出動、「台湾条項」「朝鮮条項」、ベトナム戦への米軍の関与と日本の支援も盛り込まれていた。52年後の菅・バイデン首脳声明で日米の「台湾関与」方針が復活、再確認された。基地の島オキナワは、台湾有事、朝鮮半島有事に直結する米軍の戦略拠点であり続け、防衛の空白地帯であった島々に自衛隊のミサイル部隊が配備され、日米一体の「台湾防衛」のための対中国戦争の戦争準備が進んでいるのだ。
自由と民主主義を標榜するG7は台湾を守るために日米のみならずNATO軍まで呼び込んで沖縄を最前線基地にしようとしている。沖縄は基地の島ではない。「人間の住んでいる島」だ。沖縄県民は不条理に抗い続けるしかない。
新垣邦雄(当会発起人)
「二度と沖縄を戦場にさせない」
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