厚木基地のある神奈川県大和市で12月13日~16日開催
写真展のようすを詳しく報告させていただきます。
写真1枚目
写真展でビデオを見る高校生。画面には空母クイーンエリザベスが搭載して来たF-35B戦闘機が写っている
2-3枚目 馬毛島の看板
4枚目 第1次改修工事が終わり、横須賀にもどって来た「いずも」
5-7枚目 10月1日岩国基地に着岸した「いずも」の飛行甲板を見学するアメリカ海兵隊の幹部、格納庫でのセレモニー、F-35Bの構造を自衛官に説明するアメリカ海兵隊員
「その島に、空母艦載機の離発着訓練施設を建設するという計画が進行しています。自衛隊の戦闘機もそこで離発着訓練をするほか水陸両用訓練、空挺降下訓練も行うなど、一大要塞として活用しようとしています」
私は防衛省が提示した訓練計画の中でも、F-35Bステルス戦闘機の訓練が問題だと考えています
防衛省が2020年11月に鹿児島県に説明した資料には、
「いずも」型護衛艦クラスの甲板及び艦橋を模擬した施設において、F-35Bの短距離離陸・垂直着陸の訓練を行い、操縦士、整備員、航空管制要員等を航空機の運用に習熟させるための訓練(週2~3日、年間約100日)
とあります。とんでもない訓練計画です。
そこで、広島の友人から、アメリカ海兵隊のF-35Bの垂直着陸の映像を提供してもらいました。
写真展では、これを繰り返し上映しました。
空母艦載機(FA-18E戦闘爆撃機、FA-18F戦闘爆撃機、EA-18G電子戦機、E-2D早期警戒機)などの騒音は聞き慣れていた私たちにも、この映像は衝撃的でした。
横須賀に配備されている「いずも」が第1次改修工事(2020年3月~2021年6月の15ケ月間)を終えて
横須賀にもどってきたこと。
10月3日に、四国沖で、岩国基地のアメリカ海兵隊のF-35Bを使用して、発艦・着艦検証を行ったことも紹介しました。
11月24日~26日に種子島の中種子町、南種子町の海岸で、海上自衛隊の「おおすみ」「くにさき」に搭載されているホーバークラフト艇LCAC(エルキャック)と、陸上自衛隊の水陸両用装甲車AAV7、CH47大型輸送ヘリを使った揚陸訓練のようすも紹介しました。
そして、写真展では、いかの解説文も展示しました。
●反対する理由はなんですか?
馬毛島には、固有種のマゲシカが棲息し、絶滅危惧種の植物も繁殖しています。ウミガメも産卵に上陸します。市では、体験キャンプなども計画しています。周辺の海は良好な漁場です。また種子島では畜産業も盛んで、訓練機の騒音による影響が懸念されています。
島には昔からの生活を記す遺跡も残されています。このように、種子島や屋久島の人々にとって、馬毛島は今も一体のものとして存在しています。基地建設は受け入れられません。
●騒音は周辺の島にも及びますか?
防衛省は、2021年5月、6月に自衛隊の戦闘機を使ってデモフライトを行いました。6月の調査で最大76デシベルを計測しています。実際に米軍機がFCLPを行うと、それよりも高い数値が出ると思われます。
●基地を建設して国を守らねばならないのでは?
基地を建設したから安全になるとは限りません。相手国も、さらに軍事力を強化させるでしょう。もし、偶発的にでも衝突が起きれば、基地が先ず標的になります。島にも人にも計り知れない犠牲が待っています。
8月にアフガニスタンから米軍が撤退しましたが、テロとの戦いでの犠牲者は80万人、うち民間人は33万5000人です。難民・避難民は3,800万人。米兵にも多くの死者、自殺者が出ています。武力行使はなんの成果ももたらさず、犠牲者を生み出すだけでした。解決の道は、対話による外交努力しかありません。
●神奈川に住む私たちにとって馬毛島とは?
厚木基地周辺に住む私たちも、基地の騒音問題などに悩まされています。先ず思うのは、自分たちの苦しみを、誰にも味あわせたくないということです。
米海軍は、岩国・厚木だけでなく、嘉手納、横田など軍を超えた運用を行っています。馬毛島に基地ができれば、訓練の頻度も上がり、厚木基地の利用も多くなることが予想されます。苦しみが増幅されて戻ってきます。
しかも、それは武力行使の訓練であり、出撃基地になるということです。被害の苦しみだけでなく、加害者としても苦しむことになります。
なにより、かけがえのない自然は、世界全体の貴重な財産です。破壊は許されません。