2023年1月1日 10:24沖縄タイムス
玉城デニー知事は1日までに、報道各社のインタビューに応じた。台湾有事を念頭に、南西諸島で進められている自衛隊の防衛力強化に「県民の不安が募っている」と懸念を示した。一方、東アジアの緊張緩和に向け、知事が台湾や中国などを訪問する「自治体外交」へも意欲を示し、経済振興のために引き続きアジアのダイナミズムを取り込む政策に取り組む考えを強調した。
-米軍基地に加え、台湾有事を念頭に南西諸島で自衛隊強化が進んでいる。
「日米安保体制は東アジアの平和と安定の維持に一定寄与してきた。ただ、戦後77年、日本復帰50年を経ても依然として沖縄に国内の米軍専用施設の約70%が存在する状況は異常としか言えない。大多数の国民が日本の安全保障が大切と考えるなら、当然、負担も全国で分担するのが筋だ」
「自衛隊に関しては、多くの県民は離島の急患搬送や不発弾処理などの活動に理解を示している。しかし、米軍基地の整理・縮小が進まない中、自衛隊の配備増強が重なることには多くの県民が不安を抱かざるを得ない。さらに自衛隊を増強するのであれば、まずは国政の場でしっかり議論することが重要だ」
-アジア諸国と歴史的に関係を築いてきた沖縄が取り得る衝突回避に向けた動きは。
「沖縄県は琉球王国時代から600年以上にわたり地域間交流を続けてきた。沖縄から交流を促進し地域間の信頼醸成や緊張緩和に貢献したい。新型コロナの感染状況を注視しながら中国や台湾、韓国をぜひ訪問したい。(以下略)