静岡・沖縄を語る会

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【YouTube】2/23シンポジウム「馬毛島問題を県民目線で再検討する」(講演編
■【YouTube】島々シンポジウム第1回~第6回

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『自衛隊は敵基地攻撃が可能に!!』
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【第5回動画】

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【第6回動画】

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【Youtube】木元茂夫が語る「首都圏に広がる軍事基地」

Part「首都圏からも敵地攻撃が!

Part「首都圏に広がる軍事基地」

YouTube伊波洋一さん講演「敵基地攻撃論と沖縄」

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◎【YouTube】 軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く南西シフト態勢アメリカのアジア戦略と日米軍の「島嶼戦争(part6・10分)

◎【YouTube】 軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く南西シフト態勢(水陸機動団・陸自の南西諸島動員態勢編・13分・part5

【YouTube】軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く南西シフト態勢(沖縄本島編・10分・part4)
【YouTube】軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く南西シフト態勢(part3、奄美大島・馬毛島編16分)

【YouTube】軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く南西シフト態勢(宮古島編(part2・17分)

【YouTube】軍事ジャーナリスト・小西 誠が暴く南西シフト態勢与那国島・石垣島編(part1・10分
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2023/09/16

民間外交・自治体外交で「平和な国際社会」を

Tweet ThisSend to Facebook | by やぽねしあ
「静か・沖縄を語る会」会報2023年9月号からの転載です。
***********       
民間外交・自治体外交で「平和な国際社会」を
      ~日本政府・大手メディアのキャンペーンに抗し、“戦わない覚悟”を~
               渡辺 幸重(静岡・沖縄を語る会会員)

 麻生太郎元首相(自民党副総裁)が台湾で「戦う覚悟」を強調したことが大きな話題になりました。メディアによってニュアンスが異なりますが、台湾で戦争を起こさせないためには「日本や台湾、アメリカなどが協調」して「いざとなったら防衛力を使うという明確な意思を相手に伝える」ことで「非常に強い抑止力」を機能させるのだそうです。戦争を抑止するための「戦う覚悟」とはどういうものなのでしょうか。
 8月6日の広島原爆の日に松井一實・広島市長は「世界中の指導者は、核抑止論は破綻しているということを直視」することを呼びかけ、核抑止論からの脱却を促しました。また、8月9日の長崎原爆の日でも鈴木史朗・長崎市長は「核抑止に依存していては、核兵器のない世界を実現することはできない」と訴えました。核兵器を頂点とする軍事力で戦争を抑止することはできないことは明らかです。
 にもかかわらず岸田・自公連立政権は軍事力増強路線を突っ走っています。麻生発言はその日本政府の意向を背景に“暴言”をよそおって日本国民に「戦う覚悟」を迫っているのです。しかし、台湾有事に参戦することは、台湾を中国の領土の一部と見なし、「すべての紛争を平和的手段により解決する」とした日中共同声明・平和条約に違反します。もちろん明白な日本国憲法違反です。
 TBS『サンデーモーニング』でジャーナリストの青木理さんが「かつては内閣が吹っ飛んだようなことが平気でまかり通っている」という意味の発言をしていました。安倍政権以降そのようなことがいくつもありました。それを許してきた日本国民はどうしてしまったのでしょう。私たちは日本政府や大手メディアの反中意識を煽るキャンペーンに流されず、国内に冷静な議論を作ると同時に民間や自治体レベルでの平和外交を模索し、海外との交流や対話を続ける必要があるのではないでしょうか。

平和外交と対話によって相互の信頼関係を築く玉城知事の訪中

 沖縄県は以前から米軍基地問題を広く国内外に知ってもらうための活動を展開しています。アメリカの政府や議会、有識者とも交流し、ロビー活動や情報収集を行ってきました。それは日本政府が沖縄の声を理解せず、アメリカ政府にその主張を伝えないばかりか逆に率先してアメリカの世界戦略に沿った政策を進めてきたからです。玉城知事は対外活動を台湾や中国などにも広げ、「沖縄は戦わない」「沖縄を戦場にしない」という姿勢を伝えようとしているのです。
 外交と軍事は国の専管事項と言われますが、民主主義社会では外交や軍事を含め国の方向性を決めるのは国民の権利です。民間や自治体が経済や文化面だけでなく国の将来についても交流を深める外交は私たちの平和を守るために大変重要なことです。
 玉城デニー沖縄県知事は今年7月3日から日本国際貿易促進協会の訪中団の一員として中国を訪問し、5日には河野洋平元衆院議長らとともに北京の人民大会堂で中国の李強首相と会談しました。これは沖縄県が掲げる平和構築と相互発展のための「地域外交」の一環で、知事は「確かな手応えがあった」と述べました。
 今回の知事訪中に関して、残念ながら日本の中央メディアの報道は玉城平和外交への積極的な姿勢を伝えたとは言えませんでした。知事訪中に先立って中国の習主席が述べた「琉球と中国の交流」に関する発言を「中国政府の日本に対する揺さぶり」と捉え、知事訪中はそれに利用されると疑問を呈した報道さえありました。
 Webでは習主席の発言を「台湾有事に日本が介入すれば沖縄を取るという『恫喝』」「黒を白と言う国とは仲良くする必要無し」とするコメントも見られました。これらの発言は何回も流されるテレビやネットでのニュースや解説も影響しています。視聴者に“日本に対する脅威”と“外国不信”を植え付ける報道番組にはうんざりさせられますが、それが政府発表を無批判に垂れ流す大メディアの現状です。玉城知事および沖縄県民の平和を求める立場を理解せず、アメリカ政府や日本政府の意向に忖度して世界をすべて対立構造(専制国家対民主国家など)で理解させようとしているようです。
  私たちは政府の言論統制やマスコミの世論操作に洗脳されないように気をつけなければなりません。平和な国際社会を作るためにはどこの国とも「相互によく知り認め合う」のが大事で、国民同士が敬意を持ち、根気よく信頼を醸成する努力が必要です。
 玉城知事は『環球時報』のインタビューで「平和外交と対話を通じて、緊張した情勢を緩和し、相互の信頼関係を築くことは、非常に重要なことだ」と語りました。「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝の会」は「国同士の関係が冷え込む中で、中国との歴史・文化の関係が深い沖縄県知事が中国要人とエールを交換した意義は大きい」と高く評価しています。

シンポ開催などで台湾や中国の人と対話交流、外交努力で成果も

 アメリカの2016年度国防予算を決める国防権限法案の審議で、米軍普天間飛行場の移設先として「辺野古が唯一の選択肢である」とする条項が入った案が下院を通過したことがあります。上院通過の議案にはその条項が入っておらず、両院協議会の法案検討作業の結果、その条項は削除されました。
 実は当時の翁長雄志・沖縄県知事は2015年5月に訪米し、辺野古の新基地建設に反対する民意や沖縄の現状を訴えました。また、同年9月には現職の行政首長として日本で初めて国連人権理事会に出席、米軍による土地の強制接収や日米政府による辺野古新基地建設強行を批判しました。また、新外交イニシアティブ(ND)代表の猿田佐世弁護士も米国議会に辺野古条項の削除を求めてロビー活動を展開したそうです。新外交イニシアティブは議員外交、知識人外交、民間経済外交、市民社会外交などの新しい外交を推進することを目的として設立された日本のシンクタンクです。米国議会における条項削除は沖縄県や猿田弁護士らの活動の積み重ねが影響したと言われており、自治体外交や民間外交が成果を上げた例と言えるのではないでしょうか。
 今年の4月29日、那覇市で「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」の第二回シンポジウムが開かれました。台湾の与野党系の研究者、沖縄県の保守・革新双方の立場の論者による対話を行った第一回シンポジウムに続いて、第二回目の対話セッションでは台湾で漁民や労働者の支援活動をしている人や石垣島で住民投票活動をしている人、沖縄出身の自治体外交の研究者らが「地域の対話で戦争を起こさせない」という立場から議論しました。9月9日には「大陸(中国)との対話 率直に聞こう!率直に語り合おう!」をテーマに第三回目のシンポジウムが行われます。
 また、6月24日には那覇市でシンポジウム「沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流プロジェクト」が開かれました。第1部「沖縄平和ハブ構築に向けて~安全保障、文化、経済、外交交流の拠点化を考える~」第2部「経済トーク 福建・台湾・沖縄」第3部「次世代トーク」というプログラムを見ればこのイベントの狙いがわかります。
 辺野古では米軍の退役軍人や海外の環境保護団体なども関わり、国際的な広がりが見られますが、琉球弧の軍事要塞化が進み、“台湾有事”が喧伝される中で台湾や中国の人たちとの対話や交流によって平和を目指す動きが高まっています。

台湾有事があっても日本の米軍基地を使わせず、台湾・中国に自制を求める外交を  

 新外交イニシアティブは2022年11月、政策提言「戦争を回避せよ」を公表しました。それによると、台湾有事を回避するためには展望を持った外交展開が必要とした上で、
・アメリカに対しては、事前協議において米軍の日本からの直接出撃に必ずしも「YES」ではないことを伝える
・台湾に対しては、過度な分離独立の姿勢をとらないよう説得する
・中国に対しては、台湾への安易な武力行使は国際的な反発を招くこと、軍事面では日本は米国を支援せざるを得ない立場にあるが台湾の一方的な独立の動きは支持しないことを明確に示すことで自制を求める
などを例示し、「政治は、最後まで外交を諦めてはならない」と強調しています。
 あるシミュレーションによると、台湾有事が起きてアメリカが参戦した場合、アメリカが中国を抑えるためには日本の米軍基地の使用が必須となっています。日本政府がアメリカ追随ではなく毅然として「戦争反対」を貫いて事前協議で米軍基地使用を拒否し、中国と台湾に自制を求めれば道は開けてきます。日本政府にそれを求めるのは一人ひとりの日本国民です。それが平和外交を支えることになります。

あらゆる手段を駆使して、戦争をさせない世論を広げよう       

 今年の8月18日、アメリカのキャンプ・デービッドで日米韓の首脳会談が開かれ、3カ国が連携して北朝鮮のミサイルの脅威に対抗する弾道ミサイル防衛協力の拡大、日米韓の共同軍事演習の実施、北朝鮮の不法なサイバー活動に対抗する取り組みなどを行うことに同意しました。これに反発した北朝鮮は海軍に核兵器を配備する意志を示したとされます。「核抑止力」を強化しようというのです。軍事力で戦争を抑止しようとすると軍拡競争が起き、核兵器レベルまで達することを示しています。
 ロシアのプーチン大統領がウクライナ戦争で核兵器の使用をちらつかせているように、核抑止論はすでに破綻しています。これは広島・長崎の両市長が指摘した通りですが、日本政府はアメリカと核兵器を共有する「拡大抑止論」まで主張するようになりました。私たちは日本政府の軍拡路線を止め、隣国はもちろんのこと世界各国と仲良くしなければなりません。
 新外交イニシアティブの猿田弁護士は「戦争を回避するための外交努力が尽くされていないことが問題」と指摘しています。日本政府はアメリカの属国かと思わせるぐらいアメリカのいうことを聞いていますが、東南アジアの国々は、米中の間でうまくバランスをとる外交努力を続けています。たとえばアメリカの同盟国・フィリピンでさえ、米国が台湾防衛のための作戦に使用する武器を米軍基地に備蓄することを認めず、米軍がこれらの基地で給油、修理、再装填することを認めないと外務長官が明らかにしています。
 猿田弁護士は「今こそ、国際協調による平和を謳った日本国憲法の精神を活かすべき時です。SNSでつぶやく、国会議員にファックスを送るなど、できることはたくさんあります。あらゆる手段を駆使して、戦争をさせない世論を広げましょう」と呼びかけています。
 私たち民間の草の根外交はイベントだけでなく、留学生・旅行者との交流や住んでいる自治体への要求など国内外のさまざまな場面で可能です。どのような輸入品を買うかという日常の行動にも意識が現れるのではないでしょうか。さらにインターネットを利用すれば署名活動や意見交換など活動が広がります。日本政府や大メディア、ネット右翼などのヘイトキャンペーン・脅威キャンペーンに負けることなく、声を上げ続けたいと思います。


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