「9条地球憲章の会」の第34回公開研究会(8/24)のご案内です。
グテーレス国連事務総長がついに「地球灼熱化」時代の到来の危機を訴え、他方ではロシアによる国連憲章を公然と踏みにじったウクライナ侵略の長期化に伴い、ロシアによる核兵器による「威嚇」が繰り返され、その「使用」(=「核攻撃」=「核戦争」)の危機さえ論じられる日々です。
そうした地球・人類史的とも言うべき新たな危機の中、世界最初の戦争被爆地の広島で開かれたG7サミットでは、ロシアによるウクライナ侵略を非難する一方で、ロシアによる核の威嚇などに対しては核の「抑止力」保持と強化を正当化する「核抑止論」が公然と論じられ、「核なき世界」の実現ははるか彼方の抽象的な理想として語られるだけで、核兵器禁止条約にも一言も触れられませんでした。
「9条地球憲章の会」の掲げる地球規模の立憲平和主義の実現を根底から阻害する、こうした核をめぐるロシアや日本などG7諸国政府の危険な動きをどう考え、批判すればいいのでしょうか。内外の平和を愛する市民はもちろん、私たち日本の市民にとっても、焦眉のたいへん大きく切実な問題です。
今回の公開研究会では、長年にわたって核をめぐる米国史、日米関係史と「グローバルヒバクシャ」研究をされてこられた、高橋博子さん(奈良大学教授)にこうした問題について講演していただきます。
ぜひ多くのみなさまと共に学び考え合えればと思いますので、ふるってご参加ください。
★日時 8月24日(木)午後6時半~8時半(オンラインZOOM)
★講師 高橋博子さん
兵庫県西宮市生まれ(大阪出身)
奈良大学文学部教授。同志社大学大学院修了。博士(文化史学)。
明治学院大学国際平和研究所研究員、名古屋大学法学研究科研究員などを経て2020年4月から現職。
日本平和学会理事・広島平和記念資料館資料調査研究会委員・第五福竜丸平和協会専門委員
★講演「核の『威力』ではなく、核の『惨状』の発言を
―『核抑止論』の克服のために―」
「『被爆国』を称する日本は本当に核廃絶を求めているのでしょうか? いえ。核廃絶はできない!と訴えております。防衛のための核兵器があるそうで、それが存在する限り(As long as they exist) 必要だ、と『広島ビジョン』でも凄んでいます。『核抑止論』で脅しているのです。
アメリカを中心とする連合国軍による日本占領初期の政策では、日本の民主化・非軍事化が主要な政策でした。しかし1950年代、朝鮮戦争が始まると、日本の再軍備が主要な政策になります。アメリカの戦争に日本を動員する体制です。植民地政策・第二次世界大戦に加担した政治家たちは復権され、首相にまでなります。日本政府は日本国憲法の解釈を大幅に歪め、核兵器・生物化学兵器は憲法に違反しないとまで答弁しています。
その一方で、広島・長崎の被災者、ビキニ水爆被災の被災者、原発事故の被災者を切り捨てる政策をとっています。それは、アメリカの核政策・核兵器観をそのまま適用し、核に依存する世界を存続させるためには、被災者を切り捨てる必要があるからです。
本講演では、このような日本政府の『核兵器観・自衛観』を抑止し、廃絶するために市民がどのような行動を起こしたら良いのか、みなさんと考えたいと思います。」
★著書
『新訂増補版 封印されたヒロシマ・ナガサキ』(凱風社、2012年)
共著『核の戦後史』(創元社、2016年)『歴史はなぜ必要なのか』(岩波書店、2022年)他。
★参加お申し込みは、以下のurlか添付のチラシ掲載のQRコードから、期限、参加費などの関連情報をご確認のうえ、お願いします。
【申し込みフォーム】
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(9条地球憲章の会)
事務局mail:9.globalpeace@gmail.com