※小西誠さんのfacebookから転載させていただきます。
*米中日の軍拡競争―いよいよ一触即発の事態が近づいている! そして、東アジアの軍拡競争の停止を求める運動も重要なときに至っている!
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中国、南シナ海でミサイル 米偵察機に警告か
2020/8/27 11:25日本経済新聞 電子版
【北京=羽田野主、ワシントン=鳳山太成】南シナ海を巡り、米中の応酬が激しくなっている。中国の人民解放軍は26日、中国本土から南シナ海に向けて中距離弾道ミサイルを発射した。一方、トランプ米政権は南シナ海で軍事拠点の建設に関わった中国の企業と個人に制裁を科すと発表した。対立が先鋭化している。
ロイター通信によると、米軍高官は弾道ミサイルが南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島と海南島に挟まれた航行禁止海域に4発着弾したと指摘した。
これに先立ち、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、中国軍が26日午前、弾道ミサイル2発を発射したと報じた。内陸部の青海省から最大射程5000キロメートルの「DF26」と、沿岸部の浙江省から最大射程2150キロメートルの「DF21D」を1発ずつ発射したという。
DF26は米軍基地のあるグアムを射程に収めることから「グアムキラー」、DF21Dは海上の米空母を攻撃できるとされることから「空母キラー」と呼ばれる。
25日には渤海や黄海を所管する中国の「北部戦区」が実弾演習のため飛行禁止に指定した区域に米軍のU2偵察機が進入した。中国国防省の報道官は談話を発表し「中国側の正常な演習活動を妨害した」と非難した。「あからさまな挑発行動だ」として米国側に抗議した。弾道ミサイルの発射は米軍の行動に警告するねらいがありそうだ。
中国は南シナ海など近海に米軍艦艇を寄せ付けないようにするため、対艦弾道ミサイルを開発してきた。2019年夏に初めて南シナ海で6発を発射したことが米軍に確認されている。
トランプ米政権は26日、南シナ海で軍事拠点の建設に関わったとして中国の企業と個人に制裁を科すと発表した。24社に事実上の禁輸措置を発動するほか、関与した個人のビザ(査証)を制限する。南シナ海問題で圧力を強める。
米商務省は、中国国有の中国交通建設の傘下企業など24社を安全保障上の問題がある企業を並べた「エンティティー・リスト」に27日付で追加すると発表した。対象企業に米国製品を輸出する場合は同省の許可が必要となり、申請は原則却下する。
国務省は、関連する中国人と家族に入国拒否などのビザ制限を課す。国務省高官は26日の電話会見で数十人が対象になるとの見方を示した。南シナ海での埋め立てや軍事化を指示した企業幹部らを指定するという。
ポンペオ国務長官は声明で「中国が南シナ海で威圧的な振る舞いをやめるまで行動を取る」とけん制した。ロス商務長官は制裁対象となった24社について「責任を負わなければいけない」と強調した。
ポンペオ氏は7月中旬、中国の南シナ海における海洋権益の主張を「違法」と公式に否定する声明を発表した。これを受け、禁輸措置という実力行使に踏み切った。
制裁対象の中国交通建設は中国の広域経済圏構想「一帯一路」でインフラ開発を担う世界大手の建設会社だ。米政府は融資など契約条件が不透明だとしてアジアやアフリカで影響力を強める同構想を批判している。