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●2023年度防衛省の概算要求を厳しく批判する!
・報道のように、概算要求額は、5兆5,947億円+事項要求という前例のない予算編成ー防衛費2倍化の第一歩が始まる!
・軍事予算の核心は、「千キロ射程・千発(産経では1500発)」の地対艦ミサイルなどのミサイルの長射程化・量産化だ。
・そして、「台湾有事」に備えた「機動展開能力」「抗湛性」=継戦能力の強化に、膨大な軍事費が投下される。
*中国ー東アジアへの平和外交を全く試みもしない、この凄まじい軍事力増強に強く反対しよう。
琉球列島の軍事化ーミサイル攻撃地化を水路に進行する、この戦争の危機を食い止めよう!
以下、概算要求の要約
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「令和5年度概算要求の概要」
Ⅱ 主要事項
1 スタンド・オフ防衛能力
2 総合ミサイル防空能力
3 無人アセット防衛能力
4 領域横断作戦能力
5 指揮統制・情報関連機能
6 機動展開能力
7 持続性・強靱性
●基本的な考え方
我が国が直面する現実に向き合い、将来にわたり我が国を守り抜くため、以下のような考え方に基づき防衛力を5年以内に抜本的に強化
① 我が国への侵攻そのものを抑止するため、スタンド・オフ防衛能力や総合ミサイル防空能力を強化
② 万一の抑止が破られた場合には、非対称な優勢を確保して相手を阻止・排除しうる無人アセット防衛能力や陸海空領域を含む領域横断作戦能力を強化。その際、迅速な意思決定のための指揮統制・情報関連機能を強化
③ 迅速かつ粘り強く活動するため、機動展開能力や持続性・強靱性に必要な施策を重視
*防衛関係費(令和5年度概算要求の方針)
○ 令和5年度概算要求は、
「①概算要求基準で定められた要求・要望」(算出される額の範囲内で概算要求)とは別途、
「②予算編成過程における検討事項」(事項のみの要求)を要求
①:これまでの延長線上にあるものとして行う防衛力整備事業を要求
②:「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」ために必要な取組みを要求
○ これを最大限活用し、①と②を一体のものとして、必要な事業をしっかりと積み上げ、防衛力を5年以内に抜本的に強化する
●令和5年度概算要求額 5兆5,947億円+事項要求
新規後年度負担 令和5年度概算要求額 2兆9,351億円+事項要求
●〈事項要求の主要な柱〉
スタンド・オフ防衛能力 総合ミサイル防空能力 無人アセット防衛能力 領域横断作戦能力 指揮統制・情報関連機能 機動展開能力 持続性・強靱性
●スタンド・オフ防衛能力
○ 12式地対艦誘導弾能力向上型(地発型・艦発型・空発型)の開発・量産
――12式地対艦誘導弾能力向上型(地発型・艦発型・空発型)について開発を継続地発型は、早期部隊配備のため量産を開始
○ 島嶼防衛用高速滑空弾の研究・量産
――高速滑空し、地上目標に命中する高速滑空弾の研究を継続
早期装備型について量産を開始
○ 極超音速誘導弾の研究
――極超音速(音速の5倍以上)の速度域で飛行することにより迎撃を困難にする極超音速誘導弾について、研究を推進
○ 島嶼防衛用新対艦誘導弾の研究
――長射程化、低RCS化、高機動化を踏まえつつ、モジュール化による多機能性を有した誘導弾を試作※ RCS: Radar Cross Section(レーダー反射断面積)
○ JSMの取得
――F-35Aに搭載するスタンド・オフ・ミサイルを取得※ JSM: Joint Strike Missile
○ JASSMの取得
――F-15能力向上機に搭載するスタンド・オフ・ミサイルを取得※ JASSM: Joint Air-to-Surface Stand-Off Missile
●機動展開能力
我が国の地理的特性を踏まえると、部隊を迅速に機動展開する能力を構築するとともに、それを可能にする基盤の整備が必要。輸送船舶、輸送機、輸送ヘリコプター等の各種輸送アセットの取得等による輸送力の強化が必要。
○ 陸海空輸送力の強化
島嶼部を含む我が国への攻撃に対して、必要な部隊を迅速に機動・展開できる輸送力を強化するため、小型級船舶(2隻)、輸送機(C-2)(1機)、多用途ヘリコプター(UH-2)(8機)を取得
○ 輸送・補給基盤の整備・ 輸送力及び補給体制の強化のため、南西地域における輸送・補給基盤を整備・ 迅速かつ継続的な補給品の供給のための設備の近代化
○ PFI船舶の活用による統合輸送態勢の強化
PFI船舶を使用した部隊・装備品等の輸送訓練及び港湾入港検証を実施航空輸送海上輸送
【凡 例】機動師団・旅団地域配備師団・旅団警備部隊等
○ 機動展開訓練各方面隊の計画により方面区域を跨いで部隊を機動展開させ戦術技量の向上を図り、抑止力及び対処力の実効性を向上
○ 大規模港湾がない島嶼部における揚陸支援システムの研究
●持続性・強靱性(「継戦能力」「抗湛性」ー筆者注)
自衛隊の運用を円滑にするため、弾薬・燃料の確保、可動数の向上(部品不足の解消等)、施設の強靱化(施設の抗たん性の向上等)、運用基盤の強化(製造態勢の強化、火薬庫の確保等)等を図ることが重要。
【弾薬・燃料の確保等】
○ 各種弾薬の整備ー継続的な部隊運用に必要な各種弾薬を確保
○ 弾薬の製造態勢等の確保ー12式地対艦誘導弾能力向上型 等
○ 火薬庫の確保ースタンド・オフ・ミサイル等の大型弾薬等の安全な保管のため火薬庫を確保
○ 部隊運用に必要な燃料の確保
○ 備蓄、事前集積資器材等の整備
○ 滑走路等被害復旧の能力向上に必要な器材の取得ー航空基地の滑走路等が被害を受けた場合に備え、より迅速な被害復旧を可能とする器材を取得
【施設の強靱化】
○ 自衛隊施設の抗たん性の向上
主要司令部等の地下化、戦闘機用の分散パッド、電磁パルス攻撃対策等