木元茂夫さんのfacebook(9/22)に「8月から9月、東シナ海と南シナ海で連続した
日米豪の軍事行動」の記事がありました。参考になるので転載させていただきます。
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中国軍の動向ばかりが報道されるが、日米、それにオーストラリアも加わった下記の日誌の軍事行動があった。東シナ海でも南シナ海でも。
一方、中国艦隊の宮古海峡通過は7月18日の江凱Ⅱ級フリゲート艦「黄岡」(乗組員180名、全長134m、満載排水量3963トン)を最後に、2ケ月以上ない。
アメリカ海軍はイージス駆逐艦を8月18日に台湾海峡を通過させ、中国政府の強い反発を引き起こした。アメリカ海軍ホームページは「日常的な通過」「日常的な作戦」と言い放った。数か月前までこんな表現は使われていなかった。
中国は8月26日、対艦弾道ミサイルなど2発を海南島海域に向けて発射。A2/AD(接近阻止、領域拒否)戦略の発動である。原子力空母レーガンはこの日、グアム島に寄港。私は中国政府からアメリカ政府に事前通告があったのではと推測している。
8月30日には、ハワイからやってきたイージス駆逐艦ハルゼーが台湾海峡を通過した。しかし、空母レーガンはフィリピン海(日本、台湾、フィリピン、ミクロネシアに囲まれた海域)で艦載機の離発着訓練を繰り返すのみで、南シナ海にも東シナ海にも展開していない。対艦弾道ミサイル発射の効果、というべきなのだろうか。詳しい海域がわからないので断定はできないが。今後のミサイル軍拡競争が懸念される。
アメリカに替わって、海自とオーストラリア軍が南シナ海で合同訓練、オーストラリア軍は補給艦シリアスを派遣し、長期展開の構えを見せた。
海自の「かが」と「いかづち」は訓練終了後、19日マラッカ海峡を北上した。寄港予定地のスリランカに向かったようである。15日、防衛省はこの部隊に潜水艦1隻を参加させると発表した。スリランカ周辺海域ではインド海軍との共同訓練が想定されるが、復路で南シナ海での日米、日豪の共同訓練が行われるかもしれない。
残念ながら、陸自水陸機動団が「かが」に乗艦したかどうかは確認できなかった。
外交交渉を忘れ、軍事行動の拡大が抑止力になると思い込んでいる安倍内閣、菅内閣は愚かという他はない。
日誌 ★印が、自衛隊が参加した軍事行動
★8月15日~18日 原子力空母レーガンと海自「いかづち」(DD107、横須賀)、沖縄南方海空域で共同訓練
★8月15日~17日 米海軍のイージス駆逐艦マスティン(DDG89、横須賀第15駆逐隊)が海自の「すずつき」(DD117、佐世保)と東シナ海で共同訓練。
8月18日 マスティン、台湾海峡を通過し南シナ海へ。中国政府が抗議。
8月26日 中国、浙江省から「空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイル(DF21、1500キロ飛翔)、青海省から「グァムキラー」と呼ばれる弾道ミサイル(DF26、2800キロ飛翔)など2発を発射。標的地は海南島付近。(「朝日新聞」8月28日付)
8月26日 空母レーガン、グアム島に寄港。
8月30日 イージス駆逐艦ハルゼー(DDG97、パールハーバー)、台湾海峡を通過。その後、9月3日まで南シナ海を航行。
9月08日 護衛艦「いかづち」、インド太平洋方面派遣訓練のため、横須賀を出港。
9月10日 空母レーガン、横須賀に帰港。
★9月10日 空自のF15戦闘機(千歳4、新田原8、小松4、那覇4)計20機が「日本海、東シナ海及び沖縄周辺空域」で、米空軍B1爆撃機と「編隊航法訓練及び要撃戦闘訓練」
9月10日 台湾国防部の張哲平副部長、「中国の軍事演習は地域の安定を脅かすもの」と、台湾の南西沖空海域での軍事演習を非難。
9月11日 空母レーガン、横須賀を出港、フィリピン海(日本、台湾、フィリピン、ミクロネシアに囲まれた海域)へ。残念ながら詳細な位置は不明。連日、艦載機の離発着訓練。
9月13日 イージス駆逐艦マスティン、横須賀に帰港。
★9月13日~17日 インド太平洋方面派遣訓練中のヘリ空母「かが」、護衛艦「いかづち」、南シナ海で日豪共同訓練。オーストラリア軍はイージス駆逐艦ホバート、補給艦「シリウス」が参加。
9月18日 中国国防省・任国強報道官は記者会見で、「18日から台湾海峡で軍事演習を行う」
と発表。
9月19日 台湾で李登輝元総統の告別式。アメリカのクラック国務次官(17日から訪問)、日本の森喜朗元首相らが参加。
★9月19日 ヘリ空母「かが」、護衛艦「いかづち」、マラッカ海峡を通過
■令和2年9月15日海上幕僚監部(お知らせ)令和2年度インド太平洋方面派遣訓練について(追加)令和2年度インド太平洋方面派遣訓練について、次のとおり潜水艦部隊を追加(追加箇所は下線部)し、派遣人員が約650名となりましたので、お知らせします。
1目的インド太平洋地域の各国海軍等との共同訓練等を実施し、海上自衛隊の戦術技量の向上を図るとともに、各国海軍等との連携強化を図る。また、本訓練を通じ、地域の平和と安定への寄与を図るとともに、各国との相互理解の増進及び信頼関係の強化を図る。
2期間令和2年9月7日(月)~10月17日(土)
3派遣部隊
(1)護衛艦部隊ア指揮官第2護衛隊群司令海将補今野泰樹(こんのやすしげ)
イ派遣部隊護衛艦「かが」、護衛艦「いかづち」及び搭載航空機3機ウ派遣人員約580名
(2)潜水艦部隊ア派遣部隊潜水艦1隻イ派遣人員約70名
4寄港予定国(補給)スリランカ民主社会主義共和国、その他調整中
5主要訓練項目各種戦術訓練等
■日豪共同訓練を実施
令和2年9月18日海上幕僚監部(お知らせ)日豪共同訓練について
令和2年度インド太平洋方面派遣訓練部隊は、次のとおりオーストラリア海軍との共同訓練を実施しました。
1目的(1)海上自衛隊の戦術技量の向上(2)オーストラリア海軍との連携強化
2訓練期間令和2年9月13日(日)~17日(木)
3訓練海空域南シナ海
4参加部隊(1)海上自衛隊護衛艦「かが」、「いかづち」(2)オーストラリア海軍駆逐艦「ホバート」、補給艦「シリウス」
5訓練項目各種戦術訓練
6その他新型コロナウイルス感染症への必要な対策を行い実施しました
■昨年は空母レーガンと共同訓練を実施
令和元年6月20日海上幕僚監部(お知らせ)日米共同訓練の実施について
平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊は、次により米海軍と共同訓練を実施しました。
1目的(1)海上自衛隊の戦術技量の向上(2)米海軍との連携強化
2訓練期間令和元年6月19日(水)~6月20日(木)
3訓練海空域南シナ海
4参加部隊(1)海上自衛隊護衛艦「いずも」、「むらさめ」及び「あけぼの」(2)米海軍原子力空母「ロナルド・レーガン」ほか、艦艇数隻
5訓練項目各種戦術訓練
■2年前の南シナ海での対潜訓練、この時は“事後発表”だった
30.9.17海上幕僚監部(お知らせ)対潜戦訓練の実施について
平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊とベトナム海軍親善訪問部隊は、次のとおり、対潜戦訓練を実施しました。
1目的海上自衛隊の戦術技量の向上
2訓練期間平成30年9月13日(木)
3訓練海空域南シナ海
4参加部隊(1)平成30年度インド太平洋方面派遣訓練部隊護衛艦「かが」、「いなづま」、「すずつき」及び搭載航空機5機(2)ベトナム海軍への親善訪問部隊潜水艦「くろしお」
5訓練項目対潜戦訓練