防衛費概算要求、7年連続で過去最大に 「敵基地攻撃」関連兵器も続々
2020年10月1日東京新聞
2021年度予算編成で財務省は30日、各省庁からの概算要求を締め切った。防衛省は総額5兆4898億円に上り、概算時の過去最大を7年連続で更新した。20年度当初予算の5兆3133億円と比べると3.3%増となる。最新鋭ステルス戦闘機F35など、政府が保有を検討する「敵基地攻撃能力」に利用可能な兵器の導入が多数明記された。配備を撤回した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替策の関連費は、金額を示さなかった。
◆「いずも」空母化へ一歩
F35Aは4機で計402億円、空母の甲板上で離着艦が可能なタイプのF35Bは、2機で264億円の取得費を計上。F35Aに搭載し、約500キロの遠距離から攻撃が可能なミサイル「JSM」の取得費は、172億円を盛り込んだ。
F35Bを搭載するための「いずも」型護衛艦の改修費は231億円。甲板の耐熱加工や艦首の形状変更を行い、事実上の空母としての本格運用に踏み出す。レーダーを妨害電波で無力化する電子戦機の開発費153億円も計上。新規事業として、相手国の兵器などを監視するため、複数の小型衛星を運用する「衛星コンステレーション」の研究費2億円を充てた。(以下略)