2020年 07月 08日「杉原こうじのブログ」より
【報告】陸自オスプレイの木更津配備に150人が抗議行動!
https://kosugihara.exblog.jp/240454758/
7月6日、岩国基地からの陸自オスプレイ1機目の木更津駐屯地への飛来(悪天候で8日に延期)に対して、駐屯地脇の内港北公園に約150人の市民が集まり、抗議行動を行いました。地元住民や千葉の人々はもちろん、東京や神奈川など首都圏から駆けつけた人々も目立ちました。
私は、今までは「千葉の人たちに任せておこう」と思っていたのですが、この機会にと電車に揺られて参加しました。
駐屯地にはいくつもの格納庫や管制塔、軍用車両などが見えました。ちょうど、CH-47チヌーク大型ヘリが離着陸していました。
強風が吹きつけ、時折り雨も降る中、地元の「オスプレイ来るないらない住民の会」事務局長の野中晃さんの司会で始まった抗議集会では、駆けつけた多くの仲間が発言し、シュプレヒコールも行いました。
以下は発言の一部です。
◆吉沢弘志さん(市民ネットワーク千葉県)
「習志野演習場にはPAC3もPAC2も国内最大規模の弾薬庫もある。また、陸上総隊の直轄部隊である第一空挺団・特殊作戦群という陸自の最精鋭部隊があり、この木更津の第一ヘリコプター団とセットで動く。陸自オスプレイに第一空挺団が乗り込む。国内で一番狭いパラシュート降下訓練場である習志野演習場では強風で離れて着地してアンテナや屋根を壊すことも。周りに100万人が暮らす住宅密集地にさらにオスプレイがやってくる」
◆金光理恵さん(どこの空にもオスプレイはいらない@フナバシ)
「習志野演習場の周囲には小中学校が合わせて50校くらいある。朝、木更津を飛び立ったCH-47チヌークヘリが習志野に来て、空挺団が乗り込み、午前中いっぱい何度も飛び回り降下訓練をする。我が家の上空で方向転換する時の騒音をぜひ聞きに来てほしい。この開けた海で聞くよりも、住宅地で聞く騒音の方がはるかにうるさい。反対の声は上がると思う。運動を起こそうというより、運動したいと思った人たちが入ってこれる、暖かいけれども厳しい場を整備したい」
◆頼和太郎さん(リムピース)
「自衛隊と在日米軍が一体化している。木更津でも、ここで修理してここで飛ぶ。いるからいいじゃないかとまた来る。その繰り返しでどんどん基地が強化されている。なぜ防衛省が木更津基地に注目してやっているか。これだ、というのははっきり分からないが、何となくは分かる。海に面していて飛行場と港が一緒にある。こういう基地は首都圏にはほとんどない。例えば、横須賀に自衛隊の空母が来た場合、ここから飛ぶかもしれない。ここは"オスプレイの巣"になるかもしれない。危ない時期に来ている」
◆畑野君枝衆議院議員(日本共産党)
「イージス・アショアのようにオスプレイも撤回すべきだ。オスプレイはただの危険な欠陥機ではない。水陸機動団という"日本版海兵隊"、「島しょ防衛」とは名ばかりの海外を攻撃する部隊で使われる。その支援拠点となるのを木更津が受け入れることはできない」
◆田中のりこ木更津市議(市民ネット)
「オスプレイの暫定配備だけでなく、定期機体整備にも新たな展開を始める。7月8日には木更津にくるかもしれない。米軍は沖縄から1000マイルならどこでもいいと言っているのに、防衛省は「ぜひ木更津の格納庫を使ってください。もっと建てるから、国内企業の皆さん、手を挙げませんか」と言っている。ここがオスプレイの聖地になっては困る」
◆杉原の発言は後ろに掲載
結局、悪天候を理由に岩国からの移動が中止された(8日に延期)ことが分かり、さらに抗議の声を強めることを確認しつつ散会へ。「日本のどこにもオスプレイはいらない」とコールした後、「団結がんばろう!」と声を合わせました。締めくくりは、大熊啓さんによる労働歌「がんばろう」(1960年に三池争議の中で作られ、安保闘争でも歌われた)の熱唱でした。
今回の行動は、木更津での「オスプレイ来るないらない」の取り組みを首都圏に広げるステップになりました。基地の光景を目に焼き付け、人々の熱にふれて、改めて現場に立つことの大切さを実感しました。
◆7月8日(水)14時頃から、駐屯地脇の内港北公園(木更津市吾妻42番地)で抗議行動が行われます。JR内房線木更津駅西口の2番乗り場からのバス(三井アウトレットパーク行き)で「吾妻神社」下車が便利です。2機目が飛来予定の10日(金)にも抗議行動が予定。
【抗議集会のフル動画(撮影:kenさん)】※多くの方が発言されました。ぜひご覧ください。
[第1部]
https://www.youtube.com/watch?v=ryCyp0838Ik&feature=youtu.be
[第2部]
https://www.youtube.com/watch?v=8gIQuQBQbLg&feature=youtu.be
<報道>
【動画】陸自オスプレイの木更津配備、悪天候で8日に延期(7月6日、毎日)
https://bit.ly/2ZOiXe3
※動画中の野中晃さん(「オスプレイ来るないらない住民の会」事務局長)のコメントより
「防衛省は、ここが海側だから大丈夫と言っているが、実は東京湾そのものが物流の心臓部であるということと、石油コンビナート等がたくさんあって重工業地帯になっている。その上を飛ぶ形になるのが一つ。あと、風の関係で住宅地の方を飛ぶが、自衛隊の正門の真ん前が市営の保育園になっている。学校、病院等もたくさんある。木更津の准中心地を飛ぶことになる。そういう意味でも大変不安がある」
陸自オスプレイ配備、8日に変更 千葉・木更津、悪天候で(7月6日、共同)
https://this.kiji.is/652758829594281057?c
【杉原の発言】
ママの会の皆さんと一緒に、幕張メッセでの武器見本市に反対する取り組みに力を入れてきた。オスプレイについては「千葉の人たちが頑張っている」と任せてしまっていたが、1機目が配備されるということで、現場に来て直接見ようとやってきた。
去年6月の幕張メッセでの武器見本市「MASTAsia」で、米国のベル社が開発中の無人戦闘ヘリを展示していた(オスプレイの護衛に使用との報道も)。完成後には自衛隊も導入を検討すると言われている。武器見本市は新しい武器のセールスの場として利用されてきた。今出ている『軍事研究』7月号の表紙裏にはドイツとスウェーデンの合同企業であるタウラス社が製造し、韓国も導入している長距離ミサイル「KEPD350E」の広告が載り、日本に導入しろという論文まで掲載されている。去年11月の幕張での「DSEI Japan」でも展示された地中貫通弾であり、敵の司令部の地下深くまでめり込んで攻撃できるもの。米軍がアフガニスタン戦争やイラク戦争などで「バンカーバスター」という地中貫通弾を何度も使ったが、こういう地中貫通弾さえ自衛隊が購入する段階が近づいている。
イージス・アショアの撤回は地元の取り組みの大きな成果だが、これを政府はすり替えて、年末までに国家安全保障戦略や防衛大綱・中期防衛力整備計画を変えて、いよいよ「敵基地攻撃能力」保有にお墨付きを与えようとしている。今までも長距離ミサイルなどを入れてきていたが、これに正式にお墨付きを与える話になり、こうした地中貫通弾の導入や、相手のミサイルの上昇段階で探知できる低高度の偵察衛星を数百打ち上げようとか、潜水艦から発射するトマホーク巡航ミサイルを買おうとか、そういう話が次々と出てきている。
今までぎりぎり保ってきた「専守防衛」の枠、日本が持てる武器を制約してきた枠が取り払われれば、もう憲法9条の持っている意味は事実上なくなると思う。配備されるオスプレイも、「南西諸島防衛」のために水陸機動団が運用すると言われている。日米一体だ。「島しょ防衛」を名目に巡航ミサイルなど今まで持てなかった兵器が導入され、自衛隊が"攻撃軍"になって、アメリカと一緒に具体的な軍事作戦を担っていく。私たちはそういう曲がり角に今立っている。この崖っぷちで、多くの人たちにこの事実を伝えて、「武器見本市も、オスプレイの配備も、敵基地攻撃能力もいらない」という強く大きな声を響かせて、メディアにもしっかり報じてもらって、イージス・アショアの配備の撤回をさらに次へ、次へとつなげていく、そういう転換点にしたいと思う。