2024年2月8日東京新聞
政府は7日、国家機密の取り扱いを有資格者に限る「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度を経済安全保障に関わる情報にも広げる「経済安保情報保護法案」の概要を自民、公明両党に説明した。秘匿性の高い情報の流出を防ぐ「特定秘密保護法」を実質的に拡大する内容で、秘密の範囲が広がるとともに、適性評価の対象となる民間人が大幅に増える見込みだ。国民の知る権利やプライバシーが侵害される懸念は一層高まる。(川田篤志、近藤統義)
セキュリティー・クリアランス(適性評価) 政府が指定した安全保障上重要な情報に接する必要がある公務員や民間事業者らに対して、政府が調査を実施し、信頼性を確認した上で情報を提供する制度。本人の同意を得た上で、国の行政機関が(1)家族や同居人の生年月日や国籍(2)犯罪歴(3)薬物乱用(4)精神疾患(5)飲酒の節度(6)経済状態などを調査する。特定秘密保護法で導入された。22年末時点で評価保有者は13万人。大半は国家公務員で、民間人は防衛産業を中心に3%。米国では評価保有者は400万人で官民比率は7対3程度とされる。
◆サイバー、国際協力など4分野の情報
(以下略)