イージス・システム搭載艦は「先送り」に…防衛省の主張が「二転三転」した理由
「政治案件」として始められた結果…
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イージス・システム搭載艦は先送りに
防衛省は配備を断念した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替策として昨年12月の閣議で導入を決めた「イージス・システム搭載艦」2隻について、8月末に取りまとめる2022年度防衛費概算要求に建造費を計上しない方針を固めた。
政府は2021年度予算で、イージス・システム搭載艦導入に向けて17億円の調査費を計上していただけに建造費の計上見送りは異常事態といえる。
2隻の建造費で5000億円以上、運用経費を含めると総経費が9000億円以上に膨らみ、自民党からも疑問の声が出ていた。その一方で自民党国防部会は6月、イージス・アショア用に米国で開発したレーダー「SPY7」の搭載を承認している。
防衛省幹部は「イージス・システム搭載艦は、増え続ける防衛費の押し上げ要因になり、衆院選挙前に紛糾する材料を提示することになりかねない。その一方でSPY7の導入を決めて米国に安心感を与えることができた。建造費の計上見送りは、国内外の情勢を総合的に判断した結果だ」と話す。
なんのことはない選挙対策を優先させた結果だというのだ。見方を変えれば、先送りが可能な案件、いや先送りすべき案件ということもできる。 (以下略)