2020年「104訓練」監視活動速報No6
今回の「104訓練」について、特徴と問題点をまとめてみました。
監視活動に参加された方で、ご意見等ございましたら、お願いします。
「104訓練」更に変貌する
東富士演習場での17巡目の「104訓練」は、10月19日から連続10日間28日迄行われた。今年は新型コロナウイルス感染拡大により4-6月期の北富士、7-9月期の矢臼別での「104訓練」が延期、中止したにもかかわらず、地元も懸念している中強行された。それもこれまでの最大規模兵員500名、車両120両、榴弾砲12門というものだった。砲撃総数は1845発(内白燐弾91発)で、近年6回で一番多いが、実際はそれ以上の弾数を予定していたようだ。
今回の訓練の特徴と問題点をあげる
{1} 今回は演習通報に同じ場所で「104射撃を実施していない間、米軍が使用」となっており、1日目(19日)訓練開始の10時45分以前に別の部隊による榴弾砲が22発撃たれた。訓練時間内であると「104訓練」なのか別の米軍なのか区別がつかない。
(2) 車両の移動の中にHIMARS(高機動ロケット砲システム)2台が含まれていた。事前の説明もない火器が参加した。撃たなかったが、今後の「104訓練」が変わる兆しなのか?
(3) 2日目(20日)夜間に、監視場所前の畑岡射場手前土手の上に回転式レーダーを設置した。これまで発射場所に設置し着弾の位置を確認して射撃の方角や火薬の量を調整するためのものなのだが設置場所をなぜ変えたか?
(4) 自衛隊は監視場所の前の畑岡射場で戦車砲と機関銃の訓練を連日行い、同じ着弾地に榴弾砲を撃ち、夜間は照明弾も撃っていた。これまで米軍と自衛隊は射撃訓練の時間をずらしていたが、今回は同時に訓練が行われ、まるで「日米共同訓練」だった。
また、自衛隊の榴弾砲射撃訓練は演習通報では迫撃砲となっていた。その後訂正もないので協定違反だ。
(5) 9日目(27日)に撃った白燐弾はいつもより高いところで破裂し真下へ長い糸状の煙を作った。初めて見る打ち方だった。その目的は何か?
監視活動には地元と県内各地(熱海・沼津・富士宮・清水・静岡・藤枝・磐田・浜松)から延べ73名が参加してくださり、寒い中ご苦労様でした。米兵も寒さで低体温症になったと聞いています。10日間の監視活動で新たな発見がいくつもあり、「104訓練」が更に変貌していることが分かった。
写真は、 ① 監視場所の前の道を移動する車列の中に確認したHIMARS ②回転式のレーダー ③白燐弾
なお、榴弾砲、HIMARS、車両は、11月1日午前に昼にかけてキャンプ富士を離れました。
兵員は、来る時と同様に、民間バスで横田基地に向かい、横田基地からハワイアン航空のチャーター機で沖縄に帰還し始めています。
11月2日 9:02 ハワイアン航空が着陸 大型バス5台と大型トラック2台から兵員と荷物が積み込まれ、11:25 離陸しました。
11月3日 8:50 ハワイアン航空が着陸 大型バス4台確認 10:49 離陸しました。
御殿場平和委員会 渡邊希一 090-7675-2088