自衛隊が火薬庫19棟で法令違反 住宅などと保安距離保たず
8/28(金) 18:29毎日新聞
防衛省は28日、全国の基地や駐屯地にある19棟の火薬庫で、火災発生時に周辺施設への被害を抑えるために必要な「保安距離」が確保されず、火薬類取締法に違反していたと発表した。火薬の保管量を減らすなどの是正措置を既に講じているという。
保安距離は、保管する火薬量や周辺施設の種類で決まる。1トンの火薬で、学校や病院からは160メートル離すと定められている。
航空自衛隊で2019年10月、火薬庫の保安距離が不十分との指摘が内部で上がり、防衛省は全国の火薬庫1401棟について一斉点検に乗り出した。その結果、海上自衛隊厚木航空基地(神奈川県)や陸上自衛隊伊丹駐屯地(兵庫県)など17基地・駐屯地にある19棟で、周辺の住宅や公園などから必要な保安距離が確保されていなかった。最長で60メートル弱不足していた。是正措置として大多数で火薬保管量を減らし、1基地では火薬庫周辺にあった自衛隊施設の使用を停止した。