2023年6月28日 05:20琉球新報
陸上自衛隊が南西諸島の有事に備え、陣地構築などを視野に、沖縄県内に広く分布する琉球石灰岩の掘削方法の検証を進めていることが27日までに分かった。3月には、大分県の日出生台(ひじゅうだい)演習場で砲弾を使って琉球石灰岩を爆破する検証を実施した。政府が沖縄を含む日本の南西地域で自衛隊の体制を強化する「南西シフト」を推し進める中、自衛隊が南西諸島での戦闘について具体的に想定し、地質などを踏まえた施設機材の整備を検討していることが浮き彫りになった。
(中略)
一方、78年前の沖縄戦で、沖縄戦を指揮した第32軍は首里城地下の硬い琉球石灰岩層の下に司令部壕を構築した。激しい艦砲射撃や空襲にも耐えられると考えられた。沖縄戦の研究者は「自衛隊は他国からのミサイルなどの攻撃を想定し、琉球石灰岩のような硬い地層での陣地構築を検討しているのだろう。歴史は繰り返すという思いがある」と危惧している。
(座波幸代)