2023年6月29日 05:00琉球新報
沖縄を再び戦場にするつもりなのか。地上戦やミサイル攻撃を想定し、沖縄の島々を自衛隊陣地で固めて「不沈空母」にするような危険な動きである。到底受け入れるわけにはいかない。
南西諸島の有事に備え、陸上自衛隊が陣地構築などを視野に、県内に広く分布する琉球石灰岩の掘削方法の検証を進めている。「台湾有事」を想定し、南西諸島の防衛力を強化する「南西シフト」と軌を一にした動きであろう。既に今年3月、大分県の日(ひ)出生(じゅう)台(だい)演習場で琉球石灰岩の爆破検証を実施している。
陸上自衛隊がこのような検証作業に取り組んでいる事実にあぜんとする。沖縄の地形や地質を生かした陣地構築は沖縄戦時に日本軍が実行した。住民が暮らす民間地にも陣地を造ったことで軍民混在の状態が生じ、住民に犠牲を強いた。自衛隊は同じ過ちを犯すつもりなのか。(以下略)