2023/6/27 21:09産経新聞
日本政府は中国対応を巡り、フランスを含む先進7カ国(G7)の結束維持に腐心している。G7議長国として首脳や外相間の会合を開き、軍事・経済両面で脅威が高まる中国に対する認識をすり合わせ、連携強化を図りたい考えだ。
「他国の外交政策について、わが国としてコメントすることは差し控えたい」
林芳正外相は27日の記者会見で仏政府の対中政策に関しこう述べた。その上で、5月のG7首脳会議(広島サミット)の共同声明で「中国との建設的かつ安定的な関係を構築する用意がある」と明記したと言及。日仏間でも「中国を含め地域情勢等についても日頃から意思疎通を行っている」と強調した。
政府はマクロン仏大統領の米中二極化と距離を置く一連の言動に対し「根本的な価値観を守る意識は同じだ」(外務省幹部)と静観の構えを見せる。マクロン氏が難色を示したとされる北大西洋条約機構(NATO)の東京連絡事務所設置を巡り、林氏は6日の記者会見で「NATO内で種々の検討が進められている。現時点で予断を持ってお答えすることは差し控えたい」と述べるにとどめた。
しかし、中国が軍事的な圧力を強める台湾問題を巡り、G7の足並みが乱れれば、対中抑止力の低下につながる恐れもある。マクロン氏が4月の中国訪問で、台湾有事を巡り米国に追従すべきではないとの認識を示した際は波紋を広げた。(以下略)