※下地茜さんのfacebookから転載させていただきます。
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* 2020.11.5 保良鉱山内の土地に関する民事裁判*
自衛隊弾薬庫建設地である旧保良鉱山の土地に関する裁判の判決が11/5、那覇地方裁判所平良支部で言い渡されました。
裁判の内容はつぎの通りです(おさらい)。
・旧保良鉱山所有者である(株)宮古総合開発のおこした裁判である
・20年間、鉱山の土地を「自分のものと思って占有していた」として土地の所有権を主張した
※20年間、自分の土地と思って占有すると民法上『時効取得』が成立する
※この場合、20年間、①「自分の土地と思って」②「占有していた」ことを証明する必要がある
・訴えをおこされた地主のうち数名がこれに反論していた
今回あつかわれたのは3件の土地、そのうちの1件に次の判決が出ました。
<主文. 原告の請求を棄却する。>
旧鉱山側の『時効取得』の主張が退けられたのです。
被告であった地主の人たちからすると、この一件については「勝訴」となりました。
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詳細をみると、20年間、②「占有していた」ことは原告に認められたようですが、①「自分の土地と思って」が次の点から認められませんでした。
・鉱業権の施業案を総合事務局に提出する資料に、今回の土地については「契約地」との記載があった
※自分の土地であれば契約する必要はないですから、鉱山側は土地を借りていたなどの認識であったと考えられます。
また、残り二つの土地に関しても、土地の一部を使用していたことで、土地の全部まで所有が認められてしまっているなど、裁判所の認定が不十分なところがあり、地権者と相談のうえで、控訴の意向でいるとのことでした。
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ここに弾薬庫を建てるとして、土地の権利の手続きがクリアになっていることが大前提のはず。
土地取得ができず裁判をおこしている中で、工事だけが進んでいく。
住民はもとより、地権者に対してさえも、合意の手続きをあやふやに工事に踏み切っている――
喜多弁護士のお話を聞いていると、今回のこの一連のことは、いま防衛省が無理に進めている弾薬庫建設の縮図なのではないか…と。そんなふうなことを考えさせられました。
また、赤嶺弁護士、当初むつかしい裁判だと感じていたそうです。
ですが、情報開示をしていくと、資料が黒塗りで出てくる。裁判所をとおして黒塗り部分の開示を求めるなどしていくうちに、状況が開けてきた。
ねばることで道がひらかれた、とお話しくださいました。
今回、鉱山側の取得が認められなかった土地は、海側、建設地の境界近くにあたるようです。
旧鉱山および防衛省が、取得をあきらめるか、あるいは控訴とするかはこれからのこと。
ささやかな勝利ではありますが、今後はどうなるか分かりません。
でも、今回のことに大きな勇気をもらいました。
進むことで見えてくるものもありますね。
力をあわせて、これから先を進んでいけるといいなと思います。
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以前の投稿です
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=191047699063869&id=100044759194373
琉球新報
宮古陸自弾薬庫建設地の一部、業者の所有権認めず 那覇地裁平良支部 建設工事に影響も- 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1220472.html
※裁判の結果をうけた報告会は、新型コロナの影響と、地権者の方々の立場を配慮して、ごく身近な関係者に限定しておこなわれました。