11月14日、防衛省による宮古島・保良弾薬庫への地対空・地対艦ミサイルを含む弾薬の搬入が強行されました。現地では、海上自衛隊の輸送艦が着岸した平良港に早朝から住民らが結集。陸上輸送を阻止しようと座り込みやダイ・インを行ったものの、警察が暴力的に強制排除。その後、保良弾薬庫のゲート前でも住民らによる座り込みが敢行されましたが、こちらも警察により排除され、ミサイル弾薬を搭載した車両15台が基地内に入りました。防衛省による暴挙に強く抗議します。
現地でのぎりぎりの抵抗に連帯して、14日午前には地域共闘交流会による防衛省への緊急抗議申し入れが、正午からは40人が参加して、官邸前緊急アクションが取り組まれました。スピーチに加えて、歌やコールを響かせました。
以下は官邸前での発言のダイジェストです。
植松青児さん(琉球孤自衛隊配備反対アクション)
「ミサイル搬入が宮古島の人々に苦しみを与えるのは間違いない。ミサイルが配備された島、ミサイルのない島、どちらが中国のミサイルの標的になりやすいかは明白。米日一体の対中国戦略の中でミサイルが置かれる。これは必要悪でなく不要な悪だ。日本はただアメリカに追従しているわけではなく、軍事緊張を煽って、改憲や監視強化などを進めている。米日中の3つの大国が、はざまの島じまを苦しめている」
石井信久さん(島じまスタンディング)
「全国から基地を、ミサイルを押し付けられた島じまの人々は、全国から切り離され、孤立させられながらも、この間、必死に抵抗を続けてきた。もしこのままミサイルが搬入され、軍事化が進められれば、ぎりぎりの抵抗をしてきた人々はもっと苦しい立場に追い込まれる」
FUJIKOさん(島じまスタンディング) ※歌も動画でお聴きください。
「地元の人々は今、必死に頑張っていると思う。宮古島は星の降るような美しい島なんです。そんなところに基地なんかいらない。戦争につながる基地なんかいらない。自然を壊す基地なんかいらない。本当になんという国なんだ、この国は。怒りしかありません」
杉原(大軍拡と基地強化にNO!アクション2021)
「琉球弧の自衛隊配備が平和運動の重要課題になっていないことと、岸田政権が進める軍事化の間に大きなギャップがある。米軍や自衛隊は標的にならないように島を移動して中国を攻撃するが、住民は逃げ惑うしかない。沖縄戦と同じだ。米国は"抑止"の名で人々を殺してきた。繰り返してはならない」
「琉球孤自衛隊配備反対アクション」の宮古島出身の仲間
「保良は過疎になっていて、学校も数年前に閉校になり、若い人が減っている。そういうところに基地を持ってきて、地元に税金をばらまく。宮古の状況は厳しいが、人々はずっと基地に反対してきた。今後もそうした運動と連帯していきたい」
「沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック」の方
「自衛隊配備の問題に十分に会が取り組めていないが、一人でもと駆け付けた。これから一緒に取り組んでいきたい。沖縄戦の教訓である"軍隊は住民を守らない"がないがしろにされている。軍隊がいたところで住民が犠牲になり、いなかったところでは犠牲になっていない」
水沢澄江さん
「4月に宮古に行ってきた。なだらかで穏やかな島。保良弾薬庫と千代田駐屯地だけが異様。自衛隊員はわざわざ迷彩服で通勤していた。ミサイル訓練をしていたが、可動式で動く。島全体が戦場になりかねない怖い装置だ。レーダーも牧畜の動物に影響があるという。危機感が沖縄島を含む日本全体に共有されていない」
島じまを標的とした軍事化の動きは今後ますます加速することが予想されます。河野克俊・元統合幕僚長は、台湾有事を煽り、「まずは先島諸島(注:宮古島、石垣島、与那国島など)に中距離ミサイルを配備することが重要だ」(『週刊新潮』10月28日号)と主張しています。人々の暮らしの場が米軍や自衛隊のミサイル要塞と化すことを許すわけにはいきません。地元の人々とつながりながら、各地での取り組みを強化していきましょう。
官邸前アクションでの杉原のスピーチ全文
【フル動画】2021.11.14 宮古島にミサイルを搬入するな! 11.14官邸前緊急アクション
<報道> ※抗議行動の様子がよく分かりますのでご覧ください。
【動画】防衛省 宮古島保良訓練場に弾薬搬入(11月14日、沖縄テレビ)
【動画】陸自 宮古島の港に新たな弾薬を陸揚げ(11月14日、RBC琉球放送)
【動画】宮古島の陸自訓練場に弾薬搬入 抗議の声も(11月14日、RBC琉球放送)
【動画】宮古陸自が弾薬を搬入(11月14日、QAB琉球朝日放送)
ミサイル弾薬、宮古島に搬入 自衛隊輸送艦が着岸、保良訓練場へ(11月14日、琉球新報)
防衛省、宮古島に弾薬を搬入 過去の説明違いで住民の間には反発(11月14日、朝日)
ミサイル基地化する南国の島(17分42秒)