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6月12日~14日 日米揚陸艦隊が共同訓練
ここ数年、種子島で行われてきた揚陸訓練が、今回は「沖縄東方」で
またしても、揚陸訓練だ。昨年秋の日米共同統合演習キーンソードでは、鹿児島県のトカラ列島にある臥蛇島への上陸訓練が行われた。こうした訓練は、安保法制の施行以来、何度となく繰り返されてきた。防衛省は訓練海域を「沖縄東方」としているが、アメリカ海軍の発表は、最初はフィリピン海、14日は東シナ海となっている。つまり、沖縄西方海域まで進出した可能性もあるということだ。
公開されている写真で見る限り、訓練のメインは強襲上陸用舟艇LCAC(エルキャック)の相互運用だったようだ。「相互運用性の向上」とは、海自の揚陸艦で海兵隊員を輸送する、水陸機動団の隊員がアメリカ海軍の揚陸艦に乗って出撃することを指している。
LCACは日米の共通装備で、海自は6隻保有。アメリカのテキストロンマリン&ランドシステムズ社の製造。積載重量は約70トン、90式戦車やAAV7水陸両用装甲車の搭載が可能、武装した兵士も最大145名を搭載する。370キロという長い航続距離をもち、時速72キロの猛スピードで海上を疾走する。
アメリカ海軍は、強襲揚陸艦アメリカには、オスプレイとF35Bを搭載、「しもきた」もCH-47大型ヘリ2機を搭載し、海上での訓練だけではなく、揚陸訓練を実行可能な態勢で臨んでいたが、実際に行ったかどうかは確認できなかった。
なお、中国海軍は4月25日、初の強襲揚陸艦「海南」(満載排水量約4万トン、全長237m)と大型のイージス艦「大連」を就役させている。
軍事力を誇示する訓練をやめ、軍縮への道を歩むことが問われている。
参加した艦艇の、満載排水量、全長、乗員、揚陸部隊の人数は下記のとおり。
4隻がフルに搭載すると3,139名の海兵隊員、水陸機動団の輸送が可能である。
◎強襲揚陸艦アメリカ 44,850トン 257m 1,059名 1,687名
◎ドック型輸送揚陸艦ニュー・オーリンズ 25,885tトン 206m 360名 720名
◎ジャーマンタウン 15,989トン 186m 413名 402名
◎大型揚陸艦しもきた13,000トン 178m 137名 330名
■令和3年6月15日 海上幕僚監部 (お知らせ)
日米共同訓練について
海上自衛隊は、日米同盟の抑止力・対処力を強化すべく、次のとおり米軍と共同訓練を実施しました。
1 目 的 海上自衛隊の戦術技量及び米海軍との相互運用性の向上
2 期 間 令和3年6月12日(土)~6月14日(月)
3 訓練海空域 沖縄東方
4 参加部隊 (1)海上自衛隊 輸送艦「しもきた」
(2)米海軍 強襲揚陸艦「アメリカ」、ドック型輸送揚陸艦「ニューオリンズ」 ドック型揚陸艦「ジャーマンタウン」
5 訓練項目 各種戦術訓練
6 その他 新型コロナウイルス感染症への必要な対策を行い実施しました。
(写真は海自・掃海隊群HPより)
日米揚陸艦隊の上空を飛行するオスプレイ
大型揚陸艦「しもきた」に積込まれる陸自・水陸機動団のAAV7
大型揚陸艦「しもきた」のウェルドックに進入するアメリカ軍のLCAC