PAC3配備に抗議 石垣島の平和と自然を守る市民連絡会「対処訓練」「既成事実づくり」
2023年4月29日八重山毎日新聞
石垣島の平和と自然を守る市民連絡会(上原秀政・白玉敬子・波照闘忠共同代表)は28日夕、北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げ計画を理由とする南西諸島へのPAC3配備に抗議する会見を同会事務所で開いた。「国際社会と連携して北朝鮮に国連決議を守らせるため政治的外交努力の強化を。先島へのPAC3配備を撤回すべきだ」と訴えた。
同会は、北朝鮮の衛星打ち上げ計画を強く非難した上で「PAC3は着弾寸前の弾道ミサイルを迎撃する射程数十kmのミサイル。大気圏外を通過する北朝鮮のミサイルには『対応できない』と軍事専門家もみている」と指摘。
今回の配備に「北朝鮮の暴挙を口実に住民をあおりながら実際には石垣、与那国、宮古の自衛隊基地が弾道ミサイルで攻撃される事態への対処・展開訓練だ。戦争準備、基地機能強化や拡大は断じて許されない」と強調した。
防衛省・自衛隊が県の港湾使用許可を得ないまま与那国町祖納港で車両を陸揚げしたことにも「離島住民の命綱である空港・港湾を自衛隊や米軍が優先使用する既成事実づくりの動きだ」と反発した。
中山義隆石垣市長には「市民の声を聞かずに行ったPAC3の受け入れ表明を撤回し、基地強化・拡大に関する情報の公開、市民が意思表明できる機会の保障を強く求める」とした。
抗議文は首相、防衛相へ郵送する。中山市長には5月1日、直接届けるという。