2021年06月05日八重山毎日新聞
石垣市住民投票を求める会(金城龍太郎代表)は4日、住民投票義務付け訴訟の二審判決(棄却)が法令や憲法などに違反しているとして、上告理由書などを福岡高裁那覇支部に3日付で提出したと発表した。住民投票の義務付けを規定する自治基本条例28条の解釈の誤りや、法律の範囲内で自治体の条例制定権を定める憲法94条の違反などを主張している。最高裁は今後、理由書を受理するかどうか判断する。
条例28条は1項で有権者の4分の1の署名を集めて住民投票実施を市長に請求することができると規定、1項の請求があった場合の対応として4項は市長は所定の手続きを経て実施しなければならないと定めている。
これについて2審は「権利を創設した規定ではない」「28条4項は市長・議会に努力義務を課している」との見解を示しているが、原告側は法令違反などを指摘する上告受理申立理由書で「1項と4項は住民の直接請求権を創設している」「28条4項は実施義務を課している」と主張、「28条1項と4項の解釈や立法過程での議論に関する事実認定について二審での審理が不足している」と指摘した。
二審の「努力義務に過ぎない」とする見解に対し、原告側は「4分の1にハードルを上げた代わりに市長に実施義務を課しているのは法律の範囲内」として「公共団体は法律の範囲内で条例を制定することができる」とする憲法94条に反するとしている。
原告側は「憲法の諸規定を無視し誤った判断を下すことは、民主主義の基盤を崩すことにつながる」と訴えている。