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2022年12月13日付八重山毎日新聞一面トップ記事と、コラム「不連続線」です。
12月定例市議会で、中山市長が「日米統合演習容認」「石垣島駐屯地での訓練に賛成」と答弁しました。
政府・防衛省の、「抑止力になります」「安全になります」から、「台湾有事に備えよ」への「手の平がえし」に合わせて、中山市長も豹変しました。石垣島での米軍訓練に、「私は反対させていただきたい」から、「賛成」へと‼
その「理由」として、訓練を認めなければ「市民の命を守る業務を放棄していることになる」、「国全体の安全保障、東アジア、太平洋の安全を守るために戦争を起こさないために必要」と述べたそうです。
では、米軍と自衛隊が訓練して一緒に戦えるようにしたら、市民の命が守れるのでしょうか?
米海兵隊は、「遠征前方基地作戦(EABO)」の訓練のために、与那国島に来ました。石垣でも、そうするでしょう。これは、「台湾有事」に南西諸島で戦争するための作戦・訓練です。「敵の射程圏内」で、敵の攻撃を避けて島から島へと移動しながら、敵艦隊をミサイルで攻撃する、という。戦況が不利と見れば、「移動する島」にはグアムやハワイも入るのでしょう。「不連続線」も触れているように、「自衛隊のみなさん、あとは頼んだよ」と。
間違えてはいけません。米軍は、「戦争を防ぐため」ではなく、「戦争するため」に来るのです。石垣島が焦土になるのもおかまいなしで。
太平洋戦争の教訓に学ぶなら、多くの人が住む島々は「決して戦場にしない」のが鉄則です。まして、「敵の射程圏内」にある紛争の火種を抱えた地域の島なら、非武装を保ち、「攻撃は軍事目標に限る」とした国際法で守りながら、戦争を避ける外交に全力をあげるべきです。そして、万一、武力衝突が起きても、戦域を海上に局限して、有人島には波及させないのが、民主主義国の国防組織の取るべき道です。
私たちは、それももっぱら「最前線」の私たちが、米中覇権争いの犠牲者にされるのは、まっぴらです。
市長は「国全体の安全保障、東アジア、太平洋の安全を守るために」と語ったそうですが、ひょっとして、私たちが犠牲になるのも国のため、と考えているのでしょうか?市長の「シェルター談義」にも、そんな匂いがします。全市民が逃げるのに10日はかかる(市の避難要領文書)ことなど、どこ吹く風、というような。
いずれにしても、市民の命がかかる大事な公約、議会答弁を平気で覆す中山市長には、退陣していただきたい。