2022年12月01日 八重山毎日新聞
【与那国】国民保護法に基づく弾道ミサイル発射を想定した住民避難訓練が11月30日、日本最西端の与那国町で実施された。内閣官房、消防庁、県、町が合同で主催。ミサイルを想定した訓練は県内で初めて。祖納の嶋仲自治公民館を避難先に、町民22人が参加した。8月には島から約80㌔の海域に中国の弾道ミサイルが着弾し、漁協が一時操業自粛を求める事態に発展したこともあり、町では訓練の必要性が高まっていた。(8面に関連)
訓練は、嶋仲自治公民館周辺で祭祀を行っていたところ、X国から弾道ミサイルが発射されたという想定。
午前10時過ぎ、町内にJアラート(全国瞬時警報システム)の低いサイレン音が鳴り響くと、八重山署与那国駐在所所員が「Jアラート警報です、ミサイル警報です、建物の中に避難してください」と掛け声をあげ、住民を誘導。
防災行政無線でも「ミサイル発射。建物の中、または地下に避難してください」との放送が流れ、住民らは走って嶋仲自治公民館に避難した。
館内では、「ミサイル通過」の合図を受けるまでの約5分間、窓から離れた倉庫やトイレ付近などでしゃがみ、両手で頭を抱えて身を守った。
(中略)
今年度は与那国を含む全国7市町村で既に訓練を実施、那覇市など残り4市町でも実施を予定している。