石垣島現地ルポ 自衛隊配備の最前線に立たされる南の島から
2020年3月24日長周新聞
福岡から約860 ㌔離れた沖縄本島からさらに420 ㌔南西の南海に浮かぶ八重山列島――その中心に石垣島がある。国境線をはさんで東方200㌔先には台湾、500㌔先には中国大陸を臨む位置にあるため「国境の島」といわれる。現在この八重山列島を含む南西諸島一帯では、陸上自衛隊のミサイル部隊や警備隊の配備計画が急ピッチで進行している。いわゆる「自衛隊の南西シフト」といわれ、「緊張高まる中国や北朝鮮の脅威から領海、領土を守る」「南西地域の島嶼部の部隊の態勢を強化する」(防衛省)という名目だ。だが「国防の要衝」「国の専権事項」といわれ、既成事実のように進む自衛隊基地の建設は、独自の歴史を持ち、さまざまな困難を乗りこえて平和な生活環境を築いてきた島の人々の暮らしや運命を左右する重大な問題をはらんでおり、地元ではその是非を巡って激しい攻防がくり広げられている。国境の島々で今なにが起きているのか――本紙は石垣島に飛び、現地を取材した。リポートを連載する。(4回分の連載を再構成)
(以下略)