3回連続で「育鵬社」 石垣市と与那国町が採択
2020年08月12日 八重山毎日新聞
石垣市教育委員会(石垣安志教育長)と与那国町教育委員会(田原伊明教育長)は11日、2021年度から公立中学校で使用する公民の教科書として、憲法改正や国防などに関する記述の多い「育鵬社」を採択した。11年と15年に続き3回目。先立って行われた教科書を選定した教科用図書八重山地区採択協議会(会長・石垣教育長)の答申通りの採択となった。竹富町教育委員会(仲田森和教育長)は7月27日、単独採択地区である「竹富町教科用図書採択審議会」の答申通り、公民に「帝国書院」を採択している。
育鵬社の教科書は、憲法改正をめぐる国民投票や自衛隊、憲法9条の在り方などに関する記述が多いことから「保守色が強い」など批判を集め、全国的に賛否が分かれている。弁護士団体「自由法曹団」は育鵬社の問題点について「基本的人権に対する記述が不十分」など52㌻にわたって指摘する提言集を発表している。14年には同社教科書の採択をめぐり、竹富町教委が八重山地区採択協議会から離脱し、単独採択地区となった経緯もある。(以下略)
教科書選定 「ないがしろにする行為」
2020年08月21日八重山毎日新聞
考える住民の会 審議のあり方などに抗議
石垣市教育委員会(石垣安志教育長)と与那国町教育委員会(田原伊明教育長)が、2021年度以降に使用する中学校の公民教科書に育鵬社を採択したことなどを受け、子どもと教科書を考える八重山地区住民の会(江川三津恵氏ら共同代表8人)は20日午後、審議のあり方や育鵬社採択に抗議する声明を発表した。
同会は採択に先立ち、教科書を選定する「教科用図書八重山地区採択協議会」について、構成委員の見直しや審議の公開、調査員による調査報告書の順位付け復活、などを求める請願を提出。市教委は11日に開かれた臨時会で、請願について、採択終了後に審議した。
同会は20日午後、大濱信泉記念館で記者会見を開き声明を発表。請願に関する審議が後回しされたことを「請願に向き合わず、ないがしろにする行為であり、絶対に許されない」と強く批判。
また、臨時会中、教育委員が、公民選定についてどのような議論があったか詳細を求めた際、採択協議会に参加した教育長を含む3人の委員がほぼ言及しなかったことを指し「採択に責任を持つからには十分な審議があってしかるべきだ」と抗議した。(以下略)