■宮古島市長への要請
宮古島市長 座喜味 一幸 様
市の自衛隊及び関連の諸事業等への関わり方について熟慮を求める要請
コロナ感染症の拡大傾向の続く中、市長はじめ職員の皆さんが市政運営に日夜ご奮闘のこと、深く感謝申し上げます。
宮古島市議会は5月20日の臨時会において自衛隊に対し「本土復帰50年に際し、市民・県民の生命を守る任務遂行に対する感謝決議」を賛成多数で可決しました。議論は尽くされぬまま採決され、議会としての意思を対外的に表明しました。それが端緒となり、自衛隊の諸事業やイベントの共催団体として宮古島市が協力し、平良地方合同庁舎で行っている入隊進路・就職説明会を役所内で開催するなど、宮古島市が自衛隊の後ろ盾となり様々な協力を行っていることが報道されています。この状況に後味の悪さや違和感を覚える市民もいるのではないでしょうか。宮古島の平穏な暮らしを望み、未来に続く非武の島として平和を願う市民として、市政の在り方を憂慮し、危機感を持って、以下について宮古島市として対応を求めます。
1 住民への周知なく18歳を迎える住民名簿を自衛隊へ提供しているとの報道について
沖縄県内6市町村が自衛隊に名簿を提供していることが分かったという報道が7月19日ありました。2015年以降、沖縄市と宜野湾市は取りやめ、大部分の市町村は閲覧方式をとっているのに対し、宮古島市は提供しているとあります。事実であれば、本人や家族の同意なく個人情報を自衛隊に提供することは違法性があると識者も述べています。こういうことは厳にやめていただきたい。
2 市役所1階エントランスで、開催した「自衛隊進学・就職相談会」(8/1~8/3)について
自衛隊は一般民間企業ではありません。公的機関ではありますが、警察・消防のように市民生活の安心安全のための自治体組織でもありません。自衛隊の主任務は「国土防衛」であり、憲法上の制約を課せられている事実上の軍事組織です。
災害救助を本来任務とする組織でもありません。宮古島におきましては、2019年陸自警備隊が開設、2020年にはミサイル部隊が配備されました。2021年11月には、市民が反対する中、ミサイルの弾頭弾薬も保良の弾薬庫に搬入され、島の軍事要塞化が進行しています。また、台湾を巡る米中間の緊張も取りざたされる政治的状況、安全保障状況が背景にあり、台湾有事について語られる渦中に宮古島は置かれています。2015年安保法制により集団的自衛権の行使が可能となり、有事となれば宮古島の青少年たちを危険な戦場に送ることになるかも知れません。自衛隊沖縄地方協力本部宮古島出張所の在る平良地方合同庁舎で行っている自衛隊の隊員募集を市役所内で行うことで「宮古島市が自衛隊入隊を後押ししている」と誤解を招くような行為は今後慎むようにお願いします。
3 未来創造センター大ホールで開催された「防災講演会」について
コロナウイルス感染が拡大してきた7月21日に開催された宮古島市が共催の「防災講演会」では、会場収容人数の制限を行ったと報道にあります。市の共催にも関わらず講演会が市民に周知されず、講師が元自衛官であることから参加者についても限定的であった事を記事は伝えています。
「防災」は広く全市民の生命と安全に関わる大きな関心事です。市主催・共催の行事等については,市民に対し広報を行うようお願いします。
自衛隊については、憲法上の解釈も様々有り、その賛否についての国内の民意は分かれています。また市民の中でも自衛隊基地や駐屯地への賛否も分かれています。宮古島市は、自衛隊の活動全般へ賛助協力するような行為は慎んでいただき、今後は市民の間に分断と対立を招くことにならないよう、熟慮されることを要請いたします。
2022年8月19日
ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会 代表 仲里 成繁
(構成団体 みやこ九条の会 宮古島ピースアクション実行委員会 平和を祈る宮古キリスト者の会 日本軍「慰安婦」問題を考える宮古の会 てぃだぬふぁ島の子の平和な未来をつくる会他)
宮古島平和ネットワーク
(構成団体 平和運動センター宮古島 共同代表 下地朝夫・福里猛/ミサイル・弾薬庫配備反対住民の会 共同代表下地博盛他/みやこ・あんなの会 代表 池間美津枝 )