奄美大島と宮古島に陸自が駐屯地 南西諸島で臨戦態勢
2019年3月28日長周新聞
「海洋進出を強める中国を牽制する」という口実で、陸上自衛隊が奄美大島(鹿児島県)と宮古島(沖縄県)に500~800人規模の駐屯地を開設した。同時に離島侵攻作戦の専門部隊である「日本版海兵隊」(水陸機動団)を300人増強した。すでに駐屯地建設が進行している石垣島(沖縄県)の動向とも連動し、南西諸島や九州全域を巻きこんだ軍備増強に拍車がかかっている。新区域への土砂投入などのパフォーマンスで、辺野古新基地建設のみに国民の目を釘付けにしながら、日本全土を出撃拠点にしていく企みが加速している。
南西諸島は鹿児島県の大隅諸島から与那国島(沖縄県)へつながる約1200㌔に及ぶ区域である。とくに与那国島は台湾から110㌔しか離れておらず、ここへ自衛隊部隊を配置すれば軍事緊張が高まるのは避けられない。そのため以前は、台湾から600㌔以上離れた沖縄本島しか陸自駐屯地(約2200人)を置いていなかった。
ところが16年3月に日本最西端の与那国島に沿岸監視隊約160人を配備し、戦闘機も艦船も捕捉できるレーダーを新設。そして26日には、与那国島から160㌔しか離れていない宮古島と沖縄の後方に位置する奄美大島にミサイル部隊と警備部隊の配備を開始した。ミサイル部隊は地対艦誘導弾や地対空誘導弾を操る部隊で先制攻撃能力も保有している。警備部隊は島外から応援兵力を受け入れるため、空港や港湾をすぐ制圧することを任務にしている。
宮古島の駐屯地は警備部隊約380人で発足し、来年配備する地対空・地対艦ミサイル部隊を含め、最終的に700~800人規模に拡大する計画だ。奄美大島には駐屯地、分屯地、射撃場、弾薬庫等を置き、約560人配備する計画が動いている。石垣島で動く陸自部隊配備計画(550人規模)と合わせれば、南西諸島一帯に4000人規模の陸自部隊を常駐させ、臨戦態勢をとる配置となっている。(以下略)