2022年10月6日 06:50琉球新報
自衛隊が11月に米軍との共同統合演習で沖縄県管理の中城湾港を使用し、105ミリ砲を搭載した最新鋭の装輪装甲車「16式機動戦闘車」(MCV)や、敵のミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を県外から輸送する計画を立てたことが5日までに分かった。関係者が本紙取材に明らかにした。県内から反発が予想されることからMCVなどの輸送は断念する可能性もある。
演習では、民間チャーター船で県外から装備や人員を輸送する予定。MCVなどの輸送計画を断念した場合でも中城湾港は使用する見通し。県内の民間港使用を拡大する狙いがある。2021年には自衛隊統合演習で石垣市の石垣港や与那国町の祖納港など民間港を使って県内の反発を招いた経緯がある。
MCVは県内に配備されていない。市街地での走行に適しているとされており、沖縄本島での地上戦を想定して素早く県外から運び込む体制を整えたい考えがあるとみられる。
沖縄国際大の前泊博盛教授は「軍事訓練に民間地を使うこと自体がおかしい。日常生活に自衛隊の活動が加速度的に入り込もうとしている。沖縄を再び戦場にする恐れがある」と警鐘を鳴らした。 (以下略)
*************
2022年10月6日 11:55琉球新報
日米共同訓練の最中に中城湾港を使う自衛隊の計画は、県内のあらゆる民間港を使えるようにする環境づくりの一環だ。詳細に有事を想定し、素早く部隊を沖縄に展開する体制を目指している。訓練での「実績」を重ねることで、自衛隊による民間港利用を既成事実化しようとする狙いが見え隠れする。
昨年の自衛隊統合演習でも中城湾港や石垣市の石垣港、与那国町の祖納港を使って県内の反発を招いた。港湾労働者からも不安の声が上がった。自衛隊統合演習では初めて県内の民間港を使用した。今回はさらに米側との共同訓練の一環に位置付けており、有事の日米共同対処の中でも民間港の使用が想定される。(以下略)