2022年2月5日
■「ノーモア沖縄戦 命どぅ宝(ヌチドゥタカラ)の会」全国へのメッセージ
共同代表 石原昌家、具志堅隆松、ダグラス・ラミス、宮城晴美、山城博治
平和を愛する全国の友人の皆さま。今、「南西諸島」全域が戦場にされようとしています。
日米両政府は「台湾有事」を声高に喧伝し恐怖をあおり、「有事勃発の際」には台湾に近い沖縄の島々(与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島)や鹿児島の奄美大島、馬毛島など「南西諸島」と総称される島々が戦闘に巻き込まれ戦場になると公言してはばかりません。それもそのはずです。現在これらの島々には対中国戦争をにらんだ自衛隊のミサイル基地やレーダー基地そして自衛隊員の駐屯基地が急ピッチで建設され部隊配置が進められています。「有事勃発の際」にこれらの島々から近海を通過する中国艦船や航空機にミサイルが発射されて攻撃が加えられる計画です。さらに昨年から相次いで開催された日米首脳会談や外務・防衛担当閣僚協議「2プラス2」では、日米が一体となって行動することが確認されました。島々の自衛隊基地は米軍との共同使用となり、同時に米軍の長距離高性能ミサイルが配備され、島々から直接中国本土を攻撃できる態勢を構築することが合意されています。
昨年末、この日米共同の軍事行動計画を共同通信がスクープし初めてその概要が明らかになりました。岸田首相がにわかに強調し始めた「敵基地攻撃能力」は直接的には自衛隊の攻撃力強化を指していますが、事実上は米軍の長距離ミサイル配備を指していると考えられ、これが戦争の引き金になりかねません。この日米の中国をにらんだ共同の軍事計画は、当然対象にされた中国の強い反発を呼んでおり、計画通り軍事行動が展開されると、島々が真っ先に反撃の対象とされ戦場となることは必至です。ひとたび戦火が開かれると島々は逃げ場のない地獄の戦場と化すことは誰の目にも明らかであるにもかかわらず、残念ながら、日米両政府からは「有事」を回避するための外交努力が全く窺がえません。それどころか、日本政府はことさらに「中国脅威」を喧伝して国民世論を「戦争やむなし」に誘導しているとさえ思えてなりません。岸田首相はじめ政府閣僚、自衛隊関係者の言動に身震いする恐怖を覚えます。
全国の友人の皆さま。私たちはこのような事態にあたり、再び沖縄の島々を、「南西諸島」全域を戦場にさせまいと、去る1月31日「ノーモア沖縄戦 命どぅ(ヌチドゥ)宝の会」を設立し、県内外に「戦争反対」「外交で平和を築け」との私たちの強い思いを発信することにいたしました。会の設立趣旨、活動計画など詳細については、ホームページをご覧下さい。戦争へと暴走する日米両政府の拙速な軍事行動を止め、対話による平和を求める世論を作り出し、その力で無謀な戦争を止めましょう。全国の皆さまのご理解とご賛同、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。戦争へとひた走る政府の暴走を共に止めましょう。