南シナ海、対立先鋭化 米…2度の空母演習「中国抑止」 中…同時期に訓練、戦闘機配備
2020年7月27日 5時00分朝日新聞デジタル
自国内にある総領事館の閉鎖を互いに命じるなど、対立が先鋭化する米国と中国。その矛先は、安全保障の最前線の一角である南シナ海にも向いている。中国と南シナ海の領有権を争う東南アジア諸国は米国の動きに同調しているが、経済面では中国への依存が深まるばかりだ。
「目的の一つは、中国の南シナ海での威圧的な振る舞いを抑止することだ」
エスパー米国防長官は21日の講演で、米国が4~6日と17日の2度にわたって二つの空母打撃群による演習を南シナ海で実施したことに触れ、こう述べた。
米軍は14日にも、南沙(スプラトリー)諸島近辺をミサイル駆逐艦が航行する「航行の自由作戦」を実施。エスパー氏は「40年の『航行の自由作戦』の歴史の中で、昨年は南シナ海での作戦の回数が最も多かった。今年もこのペースを続けていく」と明言し、軍事面でも中国への圧力を強めていく姿勢を強調した。
米軍の演習に先立つ1~5日には、中国海軍が西沙(パラセル)諸島海域で軍事訓練を実施していた。米軍の一連の動きはこれに対抗するもので、米中が同時期に南シナ海で訓練を実施する異例の展開となった。(以下略)
