6月14日のレイバーネットTVは、「これでいいのか着々進む大軍拡!〜杉原浩司さんを囲んで一緒に考える」を放送しました。出演者は6人、それにギャラリー参加も多数あり、小さなスタジオはいっぱいになりました。
岸田政権下の通常国会は悪法の連続で、数の力で押し通してきました。入管法では反対の声が高まりましたが、軍拡や戦争に反対する運動は低迷したままでした。それは何故なのか、どうしたらいいのか。議論沸騰で、かなりおもしろくて、考えせられるディスカッションになりました。
「いま大軍拡政策が進んでいるが、それは明文改憲よりこわい」と杉原浩司さん(写真上)は強調しました。「明文改憲なら国会の発議、国民投票など国民が関与することができる。しかし今のやり方はそれをスルーして、事実上の改憲が行われている。大変な事態だ」と。また野党第一党の立憲が問題であることも、はっきり指摘しました。「立憲は南西諸島の自衛隊基地建設を認めてきたし、今回の軍需産業強化法も賛成してしまった。これでは市民と野党の大きな運動がつくれない。市民運動側は独立性をもって、おかしいときはきちんと批判すべきだ。立憲のなかにも、軍需産業強化法反対で頑張った人もいる。だからこそ、批判するところは批判してつながっていくことではないか。そうでないとこのままズルズルいってしまう」。
植松青児さんは「いまの大軍拡は日本を守るためのものではない。アメリカの覇権を守るためのものだ。このことをしっかり押さえないとヤバイ。メディアの報道に流されてしまう」と、反対運動の基本認識の大事さを強調しました。
現場で頑張っている人からも発言が続きました。雷門で「軍拡、入管法」のプラカードを掲げてスタンディングをしている人は、「通行人はほとんどが無関心で避けてとおる。反応するのは外国人ばかり」と嘆く。ではどうしたらいいのか、なにが問題なのか、熱いやりとりがありました。戦争体験者がいなくなり、身近に考えられなくなっている時代だからこそ、さまざまな工夫が必要ではないか。たとえば、沖縄の人たちの話を直接聞くこと、映画というメディアを通して一緒に考えることなどが出されました。
ズルズルと「戦争する国」にさせてはならない。参加者の危機感は強く、今後の運動に向けた示唆に富んだディスカッション番組になりました。アーカイブをご活用ください。(M)