<土地規制法についての政府ヒアリングの案内>転載
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件名: 【共有】土地規制法第4回政府ヒアリング・交渉の実施
「重要土地調査規制法案」反対緊急声明に賛同してくださった皆さん。
関係者の皆さん。土地規制法廃止アクションネットワーク事務局の谷山です。
第4回政府ヒアリング兼政府交渉を5月27日に衆議院会館にて実施します。
土地規制法を廃止にする全国自治体議員団、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックと共催です。先行施行が6月に迫るなか改めて法の廃止と法の運用に縛りをかける取り組みを盛り上げていきたいと思います。
但し、今回は会場等の関係から一般募集もネット公開もしませんでしたのでご了承くだ
さい。後日報告会を行うことを検討しています。
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土地規制法廃止アクションネットワーク事務局はこれまで超党派の国会議員と共同で3
回に亘って重要土地等調査法施行準備室に対してヒアリングを実施してきた。ヒアリン
グでは事前に送付した質問項目に沿って質問を行い、質問関連の要望を行ってきたが、
多くの場合検討中とのことで明確な回答は得られなかった。しかし、中には基本方針の
パブコメ実施の要望に関しては、当初行わないとしていたが検討すると前向きな回答に
変わった例もある。市民や国会議員の意見を施行までのプロセスにどのように反映させ
るかが重要である。
先行施行の期限である6月22日まであと1カ月あまりに迫っている。先行施行後の基本方
針の策定、周辺住民を調査・規制の対象とする「生活関連施設」に関する政令の制定、
土地等利用審議会の設置などの重要事項についてはすでに素案ができていると推察され
る。先行施行前最後となるであろう第4回のヒアリングを是非お受けいただくよう要望す
る。
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質問事項は以下の「要望書」に記されていますので参照してください。
項目は次のものです。
1 基本方針に対するパブリックコメントの実施について
2 基本方針案の策定状況と内容について
3 土地等利用状況審議会(以下「審議会」)について
4 注視区域・特別注視区域の指定について
5 調査事項について
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事務局担当
谷山博史(NCFOJ) taniyama@ngo-jvc.net
近藤ゆり子(NCFOJ) k-yuriko@octn.jp
杉原浩司(NAJAT) kojis@agate.plala.or.jp
土地規制法廃止アクション事務局ブログ
(参考)************
内閣官房・内閣府重要土地法施行準備室宛て
「第4回市民団体・国会議員共同ヒアリングの開催のお願い」
記
1.日時 5月27日(金)11:30~12:30まで
2.場所 衆1-第8面談室
3.参加者 土地規制法廃止アクションネットワーク事務局、土地規制法を廃止する全国自治体議員団、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックなど市民団体約10人、国会議員、議員秘書、マスコミなど約10人、トータルで約20人
4.開催形式 対面での対話(オンライン公開は行わない)
【趣旨】
昨年6月16日に国会で可決・成立した土地規制法は、「重要施設」周辺の住民や国境離島に住む住民のプライバシー権、知る権利、表現の自由や集会の自由、財産権を制約し、住民が重要施設の施設機能や国境離島の国境離島機能を「阻害する」と政府が見なした場合、また住民が求められる情報提供を怠たった場合に重罰を科するものである。しかし法文中に刑罰を構成する要件の明確な規定が欠落し、住民の個人情報の収集・取得に関しても調査の対象と調査協力を求める対象は曖昧な点が多く、国会審議中の討論においても、市民団体及びマスコミからも多くの批判が出ている。
土地規制法廃止アクションネットワーク事務局はこれまで超党派の国会議員と共同で3回に亘って重要土地等調査法施行準備室に対してヒアリングを実施してきた。ヒアリングでは事前に送付した質問項目に沿って質問を行い、質問関連の要望を行ってきたが、多くの場合検討中とのことで明確な回答は得られなかった。しかし、中には基本方針のパブコメ実施の要望に関しては、当初行わないとしていたが検討すると前向きな回答に変わった例もある。市民や国会議員の意見を施行までのプロセスにどのように反映させるかが重要である。
先行施行の期限である6月22日まであと1カ月あまりに迫っている。先行施行後の基本方針の策定、周辺住民を調査・規制の対象とする「生活関連施設」に関する政令の制定、土地等利用審議会の設置などの重要事項についてはすでに素案ができていると推察される。先行施行前最後となるであろう第4回のヒアリングを是非お受けいただくよう要望する。
【質問事項】
1 基本方針に対するパブリックコメントの実施について
これまで準備室からの回答では、基本方針に対するパブリックコメントの実施を検討するとしていた。法律の一部施行まで1カ月を切ったこの段階で、準備室という責任のある部署がそれについて結論を出していないはずはない。現段階で「検討中」という答えはあり得ない。実施するのか、しないのか。
実施する場合、基本方針案の公表はいつで、パブリックコメントの実施期間はいつからいつまでか。
実施しないと決定したとした場合、その理由は何か。これまで実施も検討するといってきた経過からすれば「法律で必要的に実施することとはなっていない」という回答は論外である。実施しないと決めた実際の理由を明らかにされたい。
2 基本方針案の策定状況と内容について
法第2章(基本方針)は、6月に施行される。基本方針では、
① 施設機能や離島機能を阻害する土地等の利用防止に関する基本的な方向
② 注視区域及び特別注視区域の指定に関する基本的な事項(当該指定に関し経済的社会的観点から留意すべき事項を含む。)
③ 土地等利用状況調査に関する基本的な事項
④ 勧告・命令に関する基本的な事項、これについては、勧告・命令に関する施設機能や離島機能の阻害行為の具体的内容に関する事項が含まれる
⑤ 以上の他、施設機能・離島機能を阻害する土地等の利用の防止に関する必要事項
が定められなければならない。
本法律の全面施行が本年9月であることからすれば、6月に一部施行が決まってから以上の事項の内容の検討をスタートすることは遅きに失し、あり得ない。そもそも法案提出の段階からある程度これらについて想定がなされているはずである。
それを踏まえ、現段階でのこれらについてどの程度作業が進んでいるのか、そして、現段階でのそれらの内容を明らかにされたい。「検討中」のその検討の中身を質問しているのであるから、「検討中」では回答にならない。
3 土地等利用状況審議会(以下「審議会」)について
審議会は、次に掲げる事務をつかさどることとなっている。
① 生活関連施設指定の政令案に対する意見表明等
② 注視区域・特別注視区域指定に関する意見表明等
③ 注視区域内の土地等の利用者に対する勧告に関する意見表明等
④ その他阻害行為防止に関する重要事項の調査審議と意見表明
また、審議会は委員十人以内で組織される。
さらに、委員は、法律、国際情勢、内外の社会経済情勢、土地等の利用及び管理の動向等に関して優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命するとされている。
以上のうち、少なくとも①と②は法律全面施行後、速やかに動き出す必要がある。したがって、審議会の10名以内の委員候補について法律一部施行後から検討に着手するのは遅すぎるのであり、少なくとも「腹案」はあるはずであるし、候補者への打診も行われていなければならない。それが(悪法であるか否かは別にして)法律施行に責任を持つことである。
また、衆参両議院の付帯決議では、「重要施設及び国境離島等が全国各地に所在していることに鑑み、多様な主体の参画を図ること」とされている。
そこで、現段階で挙げられている具体的な候補者名を明らかにされたい。仮に、現段階では具体的候補者名までは明らかにできないとしても、どういう分野の方々であるのか、その候補者としての選考基準は何であるのか、それらの候補者に対し就任の打診が行われているのか、就任承諾の回答はどれだけあるのか、明らかにされたい。
なお、審議会委員については、この法律に批判的な意見を持つ者も選任されるべきであることはこれまで要求してきたことである。「多様な主体」にはこのような者も含まれるはずである。候補者の検討にあたって、この観点は持たれているのか。ないとすればなぜか。なお、私たちとしては、以上の法律の規定及び付帯決議の趣旨から、海渡雄一(東京法律事務所)、馬奈木厳太郎弁護士(東京合同法律事務所)、仲松正人弁護士(沖縄弁護士会所属)のいずれかを委員に選任すべきであると提言するので、その回答を求める。
4 注視区域・特別注視区域の指定について
先に述べた法の規定からして、法律全面施行後は速やかにこれらの指定予定の区域について審議会に諮る必要がある。そもそも、法案提出段階である程度これら区域については想定されているはずである(その想定がないのに法案を提出するはずがない)。であるから、前回、候補地が決まっている旨の報道について質問した。準備室は、誤報であるとも回答しているが、それは考えられない。
誤報であるか否かはともかく、現段階における候補地がどの程度挙げられているのか、その選定基準は何かについて明らかにされたい。
また、区域指定は、全面施行後どれくらいの期間で指定する予定か。なお、具体的な注視区域や特別注視区域の指定は、指定する必要がある区域を全部一気に指定するとは思われない。指定の対象となる自衛隊施設も1300カ所はありうることが国会で答弁されている。国境離島についても、どの離島が選定され、その離島のうちどのような区域が指定されるのかの検討も必要になる。例えば、ドローン規制法では、2019年5月17日に成立したあと、翌6月13日には13の自衛隊施設が飛行禁止区域施設に指定された。その後、2020年8月、2021年8月、同年12月と、順次指定が追加されている。本法律も同様の経過をたどるはずであり、ドローン規制法のように、いくつかの施設は全面施行後速やかに指定されるはずである。
5 調査事項について
前回、調査室からの文書回答では、機能阻害行為についての質問2の5、坑道の掘削を例にあげた思想信条調査についての質問への回答で、思想信条やプライバシーにわたる調査はしないとされている。しかし、2021年6月8日の参院内閣委員会では以下の質疑がなされており、土地利用状況調査のためであればそれについても調査することを否定していない。
(山添議員)調査する内容、対象事項についてはいかがでしょうか。例えばその利用者なり、あるいはそこを使っている人ですね、その職業や収入、資産状況、親族関係や交友関係、活動歴や、あるいはSNSなどネット上での発信、こうしたものは調査対象に入りますか。
(木村参考人)この本法案に基づきます調査は、あくまでも土地等の利用について調査をさせていただくというものでございますので、今御指摘、種々ございましたけれども、それが土地の利用と直接関係なければ、対象にはならないということでございます。以上でございます。
(山添議員)そのような限定は法律上はどこにも書かれていません。関係するかどうかを判断するのは調査する側でしょうから、調査をした上で関係するかどうかという判断をされていくことになるんでしょう。
この国会答弁にある土地利用状況調査のためであれば思想信条やプライバシーにわたる調査も許容されるのか、それとも前回の準備室回答にあるように、それはしないのか、いずれか。また、後者(そこまでは調査しない)であれば、基本方針において思想信条やプライバシーにわたる調査は禁じると明記するべきであるが、その予定はあるか、ないとすればその理由は何か、明らかにされたい。