政府は土地規制法に関する意見募集(パブリックコメント(パブコメ))を7月26日に開始しました。私たちが粘り強く要求してきた結果、基本方針案がパブコメにかけられることになったのです。
以下の通りパブコメを広く呼びかけます。多数のパブコメを政府に送りつけることで、基本方針に市民の意見を反映させましょう。ご協力をお願いいたします。
1.パブコメの意義と呼びかけ
2.基本方針案の問題点解説
3.パブコメの意見例
4.パブコメの送り方
5.土地規制法「みんなでパブコメセミナー」のご案内
1.【パブコメの意義と呼びかけ】
土地規制法は国民のプライバシーと表現の自由を侵害する可能性の高い法律です。軍事基地や原発などの安全保障に関わる「重要施設」周辺や国境離島に住む市民のみならず、「生活関連施設」の名で今後指定される重要施設周辺の市民は広く調査・監視され被疑者として家宅捜索や取り調べを受ける可能性があります。
法律本文の規定は極めてあいまいで、誰がどのような行為で処罰されるのか、誰が何をどのように調査されるのかがほとんど明記されていません。具体的な内容は政府が決める基本方針などに委ねられています。基本方針案に対してパブリックコメントで多くの市民の意見を政府に届け、基本方針に市民の意見を反映させることによってこの法律による弊害を減らすことができます。ぜひみんなでパブコメを送りましょう。
2.【基本方針案の問題点解説】
土地規制法廃止アクション事務局の仲松正人弁護士が基本方針案の問題点を詳しく解説しています。基本方針案だけでなく、土地規制法そのものの問題点がよくわかります。
パブコメを書くためのみならず、土地規制法の問題を理解していただくために多いに参考になりますので是非ご一読ください。以下のURLからダウンロードすることができます。
3.【基本方針案に対するパブコメ文章案】
※重要と思われるポイントを簡潔に書いていますのでご参照ください。
自分が訴えたいと思った意見例をそのまま、あるいはアレンジしてお使いいただくことができます。
これ以外のパブコメ意見例は以下のURLで見ることができます。
◆高所からの監視は「機能阻害行為」に該当しないと明記せよ
<該当箇所> 第4 2(2)
<意見> 機能阻害行為に該当するとは考えられない行為に、「重要施設周辺の高所からの継続的監視」を盛り込むべきです。騒音などの被害を受けている周辺住民が基地の活動を監視することは、権利を守るための当然の活動であり、これを制限することは許されません。
◆土地規制法は罪刑法定主義違反の違憲立法であり廃止せよ
<該当箇所> 第4 2
<意見> 基本方針案によっても罪刑法定主義違反は解消されず、土地規制法は違憲立法です。機能阻害行為の「例示」が示されているものの、「この類型に該当しない行為であっても、勧告及び命令の対象となることはある」としており、罪刑法定主義違反は何ら解消されず、憲法31条に違反します。この法律は廃止すべきです。
※罪刑法定主義:何を犯罪とし、いかに処罰するかをあらかじめ法律により明確に定めておかなければならない、という近代刑法上の基本原則
◆思想・信条にかかわる情報は収集しないと明記せよ
<該当箇所> 第3 1(4)
<意見> 土地等の利用者等の思想・信条にかかわる事項や行動などの情報は、いかなる理由があろうとも収集しないことを明記すべきです。このことは、国会答弁でも基本方針案でも述べられているものの、土地等の利用に関連すればできるような説明であり、それは絶対に許されません。
◆密告奨励の窓口をつくるな
<該当箇所> 第3 1(5)
<意見> 「情報提供を受け付ける体制を整備する」というのは、まさに密告の奨励であり、地域の人間関係の分断や破壊につながります。「情報提供を受け付ける体制」を整備すべきではありません。
◆「その他関係者」から「利用者の家族や友人・知人」を外せ
<該当箇所> 第3 1(3)
<意見> 「その他関係者」から「土地等の利用者の家族や友人・知人」を外すべきです。「土地等の利用者と共同で~機能阻害行為を行っていると推認される場合には」対象となり得るとしていますが、この「推認」は拡大解釈されるおそれが拭えません。
◆個人情報を厳格に保護すべき
<該当箇所> 第1 2(2)
<意見> 個人情報に関しては、公簿等以外からの収集は禁止とし、例外を設けるのであれば、
その必要性・内容・収集方法・情報の保有期間を明示すべきです。現状では、公的機関に対する個人情報保護委員会のチェックは非常に弱く、内閣府による一元的な管理は、個人情報保護を危うくします。
◆情報収集の方法は厳しく制限されるべき
<該当箇所> 第3 1(2)
<意見> 公簿以外に「現地・現況調査」や「報告の徴収等」を組み合わせることで、個人のプライバシーの侵害になりかねません。「必要に応じて」の「必要」を厳格に明示的に規定すべきです。
また、思想・信条等に関わる内容が含まれている任意団体や個人のホームページ、ブログ、SNS等からの情報収集は行わない旨を明記すべきです。
◆総理大臣による関係行政機関の長への情報提供を厳格化すべき
<該当箇所> 第5 1
<意見> 内閣総理大臣が関係行政機関の長に対し情報を提供すると判断する必要性と提供できる情報の種類を明確にすべきです。法文上限定のない情報提供の必要性の判断や、提供する情報の内容の判断を全て内閣総理大臣に委ねることは危険です。
◆軍事目的の土地収用は許されない
<該当箇所> 第5 2
<意見> 国による土地等の買取りを行うための要件を明確にすべきです。また、当該土地等の利用者等が買取りに応じるような圧力をかけるようなことは禁じるべきです。これは事実上の軍事目的による土地収用の復活と批判されている制度であり、憲法9条の平和主義に反するものです。
◆関係地方公共団体の長と協議せよ
<該当箇所> 第2 1
<意見> 「この指定に当たっては、—-あらかじめ、関係地方公共団体の長の意見を聴取する」とありますが、「意見の聴取」ではなく「関係地方公共団体と協議する」とするべきです。せめて「意見を聴取しそれを尊重する」とするべきです。
4.【パブコメの送り方について】
<意見募集期間>
7月26日(火)から8月24日(水)まで
<パブコメの対象など>
◆対象となる基本方針案(これがメインです)、施行令案(政令案)、施行規則案(内閣府令案)、郵送の場合の意見提出用紙(基本方針案、政令案、内閣府令案)は以下にあります。
とりわけ重要な基本方針案はこちら
<パブコメを送る方法>
インターネット上の意見募集フォーム又は意見提出用紙(「基本方針案」「政令案」「内閣府令案」の3種類から選択)に氏名、住所(任意)、連絡先(電話番号又はメールアドレス)、意見を記入の上で提出(送信)。
※該当箇所がわかるように明記した上で、意見を書いてください。
◆インターネット上の意見募集フォームの場合
こちらから↓
※文字化けを防ぐため、半角カタカナ、丸数字、特殊文字は使用しないでください。
※1回2000字以内。何回でも出せます。
◆意見提出用紙を郵送する場合
〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
内閣府 政策統括官(重要土地担当) 意見募集担当
※封筒表面に「重要土地等調査法に関連する基本方針案、政令案及び内閣府令案に関する意見」と朱書きしてください。
5.【土地規制法「みんなでパブコメセミナー」のご案内】
基本方針案の問題点を解説しパブコメの書き方・送り方を伝授するセミナーです。会場参加とオンラインの双方で参加できます。
日時:2022年8月2日17時~18時
場所:参議院会館B102(16時30分に参議院会館のロビーで入館証をお渡しします)
パブコメ呼びかけ団体
土地規制法廃止アクション事務局
土地規制法を廃止にする全国自治体議員団
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック