<三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記>
2023年8月23日「マガジン9」
「戦争とは爺さんが始めて おっさんが命令し 若者たちが死んでゆくもの」
これは大橋巨泉さんの残した言葉だ。まさに、リアリティもなく戦争を語り、無責任にも他国を含む国民や若者の命を消耗する決断が自分にできるかのように錯覚して戦争の覚悟を促す、そんな老人がこの国の中枢に生息している。「老害」ここに極まれり。広辞苑の【老害】の欄に麻生太郎氏の写真を入れてもいいくらいだ。沖縄県民は怒っている。なぜ、どれだけ怒っているかはまず抗議集会の動画を見てほしい。テレビ局は一社も来ていなかったから、ほとんどの人が初めて見る映像だろう。
8月8日、台湾を訪問中の麻生自民党副総裁は台北市内で開かれた国際フォーラムで発言した。
「今ほど、日本・台湾・アメリカをはじめとした有志の国に、強い抑止力を機能させる覚悟が求められている、こんな時代は無いのではないか。『戦う覚悟』です」
中国を念頭に実戦も辞さないという好戦的な日本の要人の発言に、当然中国は強く反発。「日本の一部の人間が執拗に中国の内政と日本の安全保障を結びつけることは、日本を誤った道に連れ込むことになる」と態度を硬化させた。続くキャンプデービッドでの日米韓首脳会談で浮かび上がった中国包囲網と、台湾の副総統がアメリカに立ち寄ったことと合わせ、中国は対抗措置とみられる大規模な軍事演習を台湾近海で19日から始めている。これでまた南西諸島のきな臭さは倍増してしまった。(以下略)