2023年9月22日 15:42京都新聞
京都大に対し、沖縄県の墓地から研究目的で持ち去られた遺骨の返還を子孫や沖縄県出身者ら4人が求めた琉球遺骨返還訴訟控訴審で、大阪高裁は22日、請求を退けた一審京都地裁判決(2022年4月)を支持し、原告側の控訴を棄却した。高裁は判決の付言で、遺骨を保管し研究したいと要望する日本人類学会を批判した。高裁が学会を批判するのは異例。
大島眞一裁判長は、判決の付言で「遺骨は、単なるモノではない。遺骨はふるさとで静かに眠る権利があると信じる。持ち出された先住民の遺骨は、ふるさとに帰すべきである。日本人類学会から提出された『将来にわたり保存継承され研究に供されるべき』との要望書面に重きを置くことはできない」と述べた。その上で、京大と祖先の百按司(むむじゃな)墓に安置したいと願う原告、沖縄県教委、今帰仁村教育委員会らで話し合い、解決の道を探るよう求めた。