2022年9月21日 06:40琉球新報
台湾海峡や南西諸島での有事を想定して、政府が先島諸島でシェルターの整備を検討していることに対し、ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会は20日、那覇市の県庁で会見を開き、設置計画に抗議した。同会のメンバーは「沖縄が戦場になることを前提とした計画であり、沖縄が『捨て石』にされた沖縄戦と重なる」などと指摘し、県民全体で危機感を共有する必要性を強調した。
同会の山城博治共同代表は先島諸島の首長が住民用避難シェルター設置検討を歓迎していることに触れ「沖縄が戦場になることを前提に政治と行政が動いていることに恐怖を感じる」と語った。
沖縄戦戦没者の遺骨収集を続ける具志堅隆松共同代表は「この状況に待ったをかけられるのは沖縄県民しかいない」と危機感をあらわにした。
沖縄国際大名誉教授で沖縄戦研究を長年続けてきた同会の石原昌家共同代表は「シェルターの整備は軍と行政と住民が『共生共死』を強いられた沖縄戦と同じ流れで、77年前の教訓から何も学んでおらず怒りを感じる」と憤った。
同会は21日の午前11時半~午後1時と午後6時~7時半の2回、那覇市の県庁前広場で「避難シェルターいらない! ミサイル基地いらない! 緊急集会」を開催する。
また25日午後1時半から宜野湾市民会館でシンポジウム「台湾有事日米共同作戦計画の正体~県民・メディアはどう闘うか」を開催する。入場無料。連絡先は同会事務局の新垣邦雄さん(電話)090(2716)6686。
(赤嶺玲子)