2022年10月22日 06:50琉球新報
防衛省は21日、自衛隊と米軍による日米共同統合演習「キーン・ソード23」を11月10~19日に全国で実施すると発表した。中国を意識し、南西諸島を中心に運用能力の向上を図る。県内にある自衛隊、米軍の各施設に加え、中城湾港(沖縄市、うるま市)など民間施設も使用する。施設名は明らかにしていないが、離島の民間港の使用も模索している。
演習全体で日米合わせて航空機約370機、空母を含む艦艇約30隻の使用を予定する。県内で実施される共同訓練としては極めて異例の大規模となり、航空機の離着陸など基地周辺の負担が増す可能性がある。
中城湾港では当初、105ミリ砲を搭載した最新鋭の装輪装甲車「16式機動戦闘車」(MCV)や、敵のミサイルを迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を県外から民間船舶で搬入する計画もあった。
民間地域で武器を輸送することへの県民からの反発を懸念して、中城湾港での搬入は取りやめたものの、自衛隊機でMCV1両を那覇基地に運び込むことになった。PAC3の搬入は未定。
キーン・ソードは、ほぼ2年に一度実施する日米最大規模の実動演習。今回は自衛隊約2万6千人、米軍約1万人を動員。オーストラリア軍とカナダ軍、英軍も米軍指揮下の部隊として参加する。
防衛省によると、武力攻撃かどうか判別が困難な「グレーゾーン事態」から武力攻撃事態(有事)に至るまで想定し、日米の共同対処などを訓練する。(以下略)