※杉原浩司さんのメールを転載します。
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【立憲内閣委員にFAXを】「経済秘密保護法案」が今週委員会採決の危機~こんなアナクロ法案を通していいのか
東京の杉原浩司(武器取引反対ネットワーク:NAJAT/経済安保法に異議ありキャンペーン)です。[転送・転載歓迎/重複失礼]
稀代の悪法である秘密保護法を「経済安保」分野に拡大し、民間人に人権侵害の身辺調査を行いながら、武器の国際共同開発に民間企業や大学を組み込んでいく「経済安保版秘密保護法案」があっさりと衆議院を通過しようとしています。
4月2日午前に経済産業委員会との連合審査、3日も野党のみの6時間質疑が入っており、与党は、最短で岸田首相訪米前の5日にも首相入りの締め括り質疑・採決を狙っています。立憲民主党は、既に附帯決議案を作成し妥協の構えを見せています。法案の危険性を広く伝え、徹底審議と廃案を迫りましょう。
3月27日の日弁連の「経済安保版秘密保護法案」院内学習会で高山佳奈子さんは、「共謀罪法と同様に人権保障の仕組みがなく、行政的ルールに丸投げ。背景には武器商人の利権がある。国立大学法人法、日本学術会議法、共謀罪法と一体で、研究機関を防衛関連産業の道具にするもの」と批判されました。
当面重要なのは、5日の委員会採決を食い止めることと、立憲民主党に拙速な妥協ではなく、筋を通して反対を貫くように求めることです。
◆立憲民主党の衆議院内閣委員に
「4月5日の委員会採決を拒否し、徹底審議を」「悪法に反対を貫いて」のFAXを!
【理事】
森山浩行 FAX 03-3508-3906
太栄志 FAX 03-3508-3330
【委員】
逢坂誠二 FAX 03-3508-3947
中谷一馬 FAX 03-3508-3310
本庄知史 FAX 03-3508-3949
山岸一生 FAX 03-3508-3424
山崎誠 FAX 03-3508-3437
◆海渡雄一弁護士の重要な投稿を転送します。ぜひご一読ください!
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今朝(3月31日)の東京新聞が、経済秘密保護法の法案審議を詳報しています。
米英仏では「秘密指定」廃止の流れ 経済安保情報保護法案
なぜ今さら日本に?指摘される「最大の不備」は
この記事は、法案が、周回遅れのアナクロ法案で、同盟国からも疑問視されるものであることを適切に報じてくれています。今日の朝刊の本紙の二面にも掲載されていますが、このデジタル版の方が、見出しもわかりやすく、少し詳しいです。
伝えられるところによれば、今週の火曜日に経済産業委員会と内閣委員会の連合審査が、水曜と金曜に内閣委員会で審議が行われ、週末(5日)には委員会採決かともささやかれています。
最大野党の立憲民主党は、法案に対する賛否を明らかにしていません。水面下では、重要経済安保情報に対する国会による監督措置をめぐる、法案の修正協議がなされているとの情報があります。法を前提とすれば、国会による監督措置は、
日弁連も求めている、一つの重要な課題です。しかし、東京新聞が適切に指摘するように、秘密指定と適性評価に対する、独立した監視措置がないことが根本的な問題ですし、法案の立て付けとして、英仏では廃止され、アメリカでも情報保全局から廃止が勧告されているコンフィデンシャル(秘)級の情報に対象を絞った、このような制度が必要かどうか、根本的に疑問があることが明確となりました。
参考人質疑でも、有識者会議の渡部座長は、海外の制度について聞かれても、何も答えられませんでした。東大の副学長をされている方ではありますが、民間企業出身で、理系の研究者の方であり、制度の一般的な必要性以上のことは何も語られませんでした。明らかに、今回の法案は議論不足、検討不足で提案されているものです。秘密保護法制は、国の進路を誤らせる可能性のある、極めて重大な法案です。衆院選挙前の拙速な審議で成立させてしまうのではなく、新しい国会構成の下で、根本から議論をやり直すべきです。
国会は、このような決定的ともいえる事実が明らかになっているのに、この法案について採決に進むようなことのないよう強く期待します。
立憲民主党は、みずから推薦した斎藤参考人から指摘を受けたのですから、根本からの議論のやり直しを求める立場に立ってもらいたいと思います。
【注:朝日にも同様の記事↓】
適性評価法案の必要性に疑問符 英仏では対象外の情報も保全(3月29日、朝日)
海渡雄一
以下は私の今週の審議のまとめです。
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法案の国会審議の経過では、政府は、サプライチェーンの多様化、インフラ企業のIT審査に秘密指定の対象を絞り込んだと説明しています。しかし、これは有識者会議における議論と大きくかけ離れていますし、軍民デュアルユース技術の開発も、法二条4項の「重要経済基盤に関する革新的な技術」に含まれることは明らかで、政府もAI技術が秘密指定される可能性を否定しておらず、説明は一貫していません。
また、3月28日の衆院内閣委員会の参考人の意見公述において、日弁連の斎藤裕副会長は、コンフィデンシャル級の秘密指定は英仏で廃止され、2022年の情報保全監察局(ISOO)レポートにおける大統領あての提言において、confidentialという秘密レベルの廃止を提言していることを明らかにしました。すなわち、この勧告は、「a. confidentialレベルの分類を廃止することで、サイバーセキュリティ領域に対する我々のアプローチや、最も親密な同盟国の多くが採用している2段階の分類システムと、分類レベルをより密接に整合させる」と述べているのです。政府提案の経済秘密保護法は英仏米の動向と整合せず、法案の根幹にかかわる問題点が明らかになったといえます。
さらに、適性評価の対象者は行政機関の長に苦情の申出をすることができる(法案一四条一項)とされています。行政機関の長はこの苦情を誠実に処理する(同条二項)とされるが、調査を実施する内閣総理大臣には何らの責務も規定されていません。
<こちらも参考に↓>
【海渡雄一弁護士、緊急投稿】
国会参考人質疑 : 経済秘密保護法案「時代錯誤的なもの」と指摘される