東京の杉原浩司(武器取引反対ネットワーク:NAJAT)です。
[転送・転載歓迎/重複失礼]
経済や学術の軍事化、企業秘密漏洩への厳罰化など問題だらけの「経済安保法案」は、4月6日の委員会採決が合意されてしまいました。
立憲民主党は修正案を提出しますが、それが否決された場合の対応は小川淳也政調会長に一任されています。いい加減な附帯決議などで妥協し、危険な政府案に賛成することのないように、大至急働きかける必要があります。
こうした状況を踏まえて、市民や自治体議員の有志が立ち上げた「経済安保法案を懸念するキャンペーン」が新たな声明を公表しました。ご一読いただき、議員への働きかけにご活用ください。
◆声明の後ろに、立憲の関係する議員のFAX、電話のリストを付けています。
短いものでも構いませんので、週末から週明けにかけて、ぜひ声を集中してください!
※日本版「軍産学複合体」の形成につながりかねない悪法を通すわけにはいきません。
【ウェブセミナー】
4/4 17時「青木理が斬る 経済安保法案の深層~町工場対公安警察」
【ご一読を】経済安保推進法案を懸念する声明&井原聰さんの陳述要旨
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【声明】
政府与党に立憲民主党修正案の受け入れを求めるとともに、
削除された法案第90条の復活とさらなる抜本的見直しを求めます
経済安保法案の審議が大詰めである。4月6日には衆院の内閣委員会で採決とされている。こんな拙速な審議で通してしまってよい法案ではない。
1 はじめに
立憲民主党は1日、岸田政権の提案する重要法案である経済安保法案について修正案をまとめた。同法案について、我々キャンペーンは3月25日に声明を発し、経済活動が軍事に従属する、企業活動に伴う企業秘密が無限定に拡大する、秘密漏洩に対する罰則が強化される、発明者の特許権が侵害される恐れがあるなどの問題点を指摘してきた。
2 立憲民主党の修正案
立憲民主党は、経済安全保障の重要性と必要性を十分に認識するとしつつ、「自由で開かれた経済活動」「民間活力と経済成長」「経済安全保障の実効性」といった観点から、自由と規制、経済と安全保障のバランスに留意しつつ、経済安全保障に関する諸施策を推進するとして、経済活動に対する規制を「必要最小限」とする、法律の施行状況を国会に報告する、などを柱とする修正案をまとめ、6日に衆院内閣委員会に提出するとしている。
修正案の詳しい内容は次のとおりである。
・経済安全保障の「基本理念」を新設(※国家及び国民の安全の確保と自由かつ公正な経済活動の促進との両立、必要性最小限の規制、事業者の自主性の尊重等)
・特定重要物資の指定においては「外部有識者の意見を聴く」規定を新設する。
・事業者へ報告・資料提出を求める必要性は「特に」必要があると認めるとき
に修正する。
・特定社会基盤事業者の指定においては「事業者・関係者の意見を聴く」規定を新設する。
・導入後に勧告及び命令できる要件は「著しく」大きいと認めるに至ったときに修正する。
・先端的な技術の例示として「宇宙」「海洋」「量子」「人工知能」等を追加し、限定に努力する。
・特定技術分野の係る政令制定において「外部有識者の意見を聴く」規定を新設する。
・法律の施行状況について、「政府による国会への報告」規定を新設する。
・特許出願の非公開に関し、手続きを円滑に行うことができるよう検討を加え、「必要な法制上の措置を講ずる」規定を新設する。
3 修正案の評価
この修正案は、我々が指摘した法案に関する懸念すべき点について、これを緩和することを目的とするものであり、前向きに評価することができる。しかし、法案そのものが、国家安全保障を名目として、多くの事項を政省令などに委任しているため、規制内容そのものが明確でない。そのため、「秘密」の範囲を無限定に広げ、罰則が科される行為も明確でない。
企業活動と学術研究の自由を制約し、市民監視の強化につながるという法案の本質的な問題点は、立憲民主党の提案する修正案によって軽減されるものの、払しょくされるとは認められない。
4 法案第90条の削除に抗議する
また、この段階で以下の第九十条が削除された。これは、重大な後退である。
「第九十条 この法律の施行にあたっては、我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることがないよう留意しなければならない」
この部分は、井原聡氏が参考人質疑で指摘したユネスコの「科学及び科学研究者に関する勧告」(2017年11月13日、第39回ユネスコ総会採択)との関係で政府与党が意図的に削除したことが疑われる。
この勧告は「4.研究における権利及び責任(iii)事業の倫理的、人道的、科学的、社会的又は生態学的な価値について自由に、かつ、公然と意見を表明すること。科学技術の発展が人類の福祉、尊厳及び人権を損なう場合又は「軍民両用」に当たる場合には、科学研究者は、良心に従って当該事業から身を引く権利を有し、並びにこれらの懸念について自由に意見を表明し、及び報告する権利及び責任を有する」と定めている。
これに照らすと、90条を削除することは、特定重要技術に携わる研究者はこの権利と責任を放棄しなければならないとも解釈される。いうまでもなく、科学技術の発展は一国の、また時の政府の、さらに企業等のためにのみ貢献するのではなく、人類の福祉と尊厳、人権を損なうことのない行動を研究者は求められているのであり、このユネスコ勧告は尊重されるべきである。
5 法案の徹底審議と原案反対の意見を貫くことを求める
伝えられるところによれば、法案について、6日には質疑を終局し、内閣委員会で採決を行う予定とされているが、あまりにも拙速であり、採決は時期尚早である。
法案について、さらなる徹底審議を求め、我々の指摘する問題点が払しょくされるような抜本的見直しを求めるものである。
もし、仮に政府が立憲民主党の当然ともいえるこの控えめな修正案すら、受け入れて政府案を修正しないときは、立憲民主党は、法案原案に反対する意思を表明するよう、強く求める。
2022年4月4日 経済安保法案を懸念するキャンペーン
[連絡先] 090-6185-4407(杉原) 03-3341-3133(東京共同法律事務所・海渡)
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★立憲民主党のキーパーソンに「採決合意を撤回し徹底審議を」「法案第90条
を必ず復活させて」「修正案の実現を。通らなければ政府原案に反対を」など
の声を大至急届けてください!(「廃案に」との声でも構いません)
※「特にこの人に」という議員に◆を付けています(杉原)。
<「経済安保法案」立憲民主党関係議員>
【党三役】
泉健太 代表(京都3区) (FAX)03-3508-3805 (TEL)03-3508-7005
◆西村智奈美 幹事長(新潟1区) (FAX)03-3508-3994 (TEL)03-3508-7614
◆小川淳也 政調会長(香川1区) (FAX)03-3508-3251 (TEL)03-3508-7621
◆馬淵澄夫 国対委員長(奈良1区)(FAX)03-3508-3051 (TEL)03-3508-7122
【内閣委員会】
◆筆頭理事 森山浩行(比例近畿)(FAX)03-3508-3906 (TEL)03-3508-7426
次席理事 森田俊和(埼玉12区) (FAX)03-3508-3899 (TEL)03-3508-7419
委員
大串博志(佐賀2区) (FAX)03-3508-3335 (TEL)03-3508-7335
中谷一馬(比例南関東)(FAX)03-3508-3310 (TEL)03-3508-7310
堤かなめ(福岡5区) (FAX)03-3508-3039 (TEL)03-3508-7062
◆本庄知史(千葉8区 (FAX)03-3508-3949 (TEL)03-3508-7519
山岸一生(東京9区) (FAX)03-3508-3424 (TEL)03-3508-7124
【経済安全保障PT役員】
◆座長 岡田克也(三重3区) (FAX)03-3502-5047 (TEL)03-3508-7109
◆事務局長 篠原豪(神奈川1区) (FAX)03-3508-3430 (TEL)03-3508-7130
◆事務局長代理 落合貴之(東京6区)(FAX)03-3508-3434 (TEL)03-3508-7134
事務局次長
杉尾秀哉[参](長野) (FAX)03-6551-0724 (TEL)03-6550-0724
羽田次郎[参](長野) (FAX)03-6551-0818 (TEL)03-6550-0818
梅谷守(新潟6区) (FAX)03-3508-3883 (TEL)03-3508-7403
森田俊和
本庄知史
【関係部会】
経産 山岡達丸部会長(北海道9区)(FAX)03-3508-3306 (TEL)03-3508-7306
外務 小熊慎司部会長(福島4区) (FAX)03-3508-3438 (TEL)03-3508-7138
内閣 森山浩行部会長
安保 篠原豪部会長