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西之表市長八板俊輔氏に対する「西之表市職員措置請求書」、いわゆる「住民監査請求」について
一昨日のニュースで言及した、西之表市長八板俊輔氏への住民監査請求についてです。昨日、市の監査委員会事務局に問い合わせたところ、先月すでに受理して審理中とのことでした。5月11日に受理したということなので、60日以内すなわち7月10日頃までに何らかの判断を下すものと思われます。そして、その前に申立人の1人である私への事情聴取もあると考えています。この間の経過と私が提出した文書をお示しします。
これまでの経過
2022年9月5日 八板市長が市議会にいわゆる基地容認3提案を提案。(3提案とは、1馬毛島小中学校跡地売却、2馬毛島島内の市長認定廃止、3種子島にある市所有の農地を自衛隊隊員宿舎用地として売却)
参考:馬毛島情報局が提出した3通の請求書のうち、馬毛島小中学校跡地の売却提案についての請求書
西之表市職員措置請求書
馬毛島市有地売却に関する措置請求の要旨
1.請求の要旨
(1) 違法又は不当な財務会計上の行為について
馬毛島内の市有地である学校跡地の売却は、違法もしくは不当な市有財産の管理、処分にあたるので、これを事前に差し止める措置を請求します。差し止める前に実行したときは、これによる市の損害を賠償する措置を請求します。
鹿児島県の西之表市馬毛島には、米軍機の訓練の移転と自衛隊基地の整備の計画があり、西之表市長である八板俊輔市長は、防衛省の求めに応じ、馬毛島小中学校跡地を売却する議案を議会に提出しており、2022年9月30日に予定される市議会本会議で可決される見込みであると報道されています。西之表市長は、議案が可決されれば、市有地の売却と市道の廃止を行う予定です。
しかし、今回の馬毛島における市有地の売却は、次の通り違法又は不当なものです。
第1に、馬毛島への自衛隊基地の整備と米軍機の訓練移転の計画については、西之表市民はもとより、近隣住民からも、生態系や漁業への影響、軍事行動そのものの舞台となることの危険性などについて、強い懸念の声があがっており、とうてい地元が同意している状況にはありません。
また、八板市長は1期目に引き続き2期目の選挙公約として馬毛島への基地整備を反対に掲げています。加えて、本年8月20日開催の市民説明会において市民の質問に対し、八板市長は、以上の市有地の売却の意思はないと回答しました。そうであるにもかかわらず、1か月もたたないうちに市民に対し何の説明も無いまま市が態度を変え、同学校跡地を売却することを表明したのは市民を欺く不当な行為に他ならず、十分に市民に説明責任を果たすべきです。市議会の審議の中でも、「説明不足」であると指摘されています。
第2に、学校跡地(8853平方メートル、売却額3370万円)については、市と市民の財産を市民の福祉のために有効に活用すべきです。これを安易に処分することは、重要な市有財産の長期間にわたる管理や処分について、特に慎重な手続を要するとした地方自治法の趣旨に反する上、その売却価格そのものも安過ぎるものであり、市に重大な損害を与えます。
そもそも、馬毛島の市有地について市長は今後の利活用計画を主要施策に掲げてきました。馬毛島の利活用については、馬毛島自然保護区及び自然・文化総合学術調査施設の設置などが挙げられており、学校用地についても複数の利活用が検討されたうえで、最も便益の高い事業を実施するべきです。
特に、海外ではエコツーリズムによる収益や新たな雇用の創出に成功している事例が多々あり、本市の提案する馬毛島トラストなどの事業も検討されるべきです。
西之表市は、学校跡地を以上の施策の重要な拠点施設に位置づけて、年次的に馬毛島体験活動を行ってきました。今回の売却はこれを全て反故にするものであり、一切の説明もないまま基地整備のための用地の売却を行うことは、住民自治と地方自治の本旨にもとるものです。
加えて、西之表市は、馬毛島の歴史が本市にとって重要であることから市史編纂の一部として位置づけ、文化財としてのソテツの群落など、これまで市史編纂において大きな関わりを持ってきています。しかし、その最重要拠点である市有地を売却することは未来永劫本市と馬毛島の関わりを決定的に弱体化するものであり、その損失は計り知れません。
これら、市の財産を最大限利活用するのにどのような活用方法が市の財政に最も資するか、引いては市民の生活に資するか否か何ら検討されないまま市有地の売却をするのは、裁量権の行使にあたって考慮すべき事項が何ら考慮されておらず、違法な裁量権の行使と考えます。
(2) 損害について
馬毛島内の学校跡地については、上述のとおり八板市長が当選した当初より、馬毛島の利活用計画を発表してきましたが、上述のとおり馬毛島自然保護区及び自然・文化総合学術調査施設の設置などが挙げられており、学校用地についても複数の利活用が検討されたうえで、最も便益の高い事業を実施するべきです。
特に、海外ではエコツーリズムによる収益や新たな雇用の創出に成功している事例が多々あり、西之表市の提案する馬毛島トラストなどの事業も検討されるべきです。
馬毛島内の学校跡地は、馬毛島自然保護区及び自然・文化総合学術調査施設の設置にあたってはその中核をなすものであり、これを失うことにより、以上の事業により得られる収益をも失うことになります。
以上のとおり、市有地の売却により本市に重大な損害が生じますので、以上の売却を差し止めるよう請求し、また、万が一本請求を顧みず市有地の売却を行った場合には、市の損害を賠償する措置を請求します。
2.請求者
住 所 鹿児島県西之表市西之表17854-182
氏 名(自署) 三宅公人
地方自治法第242条第1項の規定により別紙事実証明書を添え必要な措置を請求します。
2022年9月21日
西之表市監査委員 殿
*事実証明書(9月6日と9日の南日本新聞記事です。さらに詳しい資料が必要でしたらお申し付けください)
2022年9月21日 私を含む西之表市民23名が市長への住民監査請求書を提出。その後、監査請求書を提出する市民が増え、26日までに407名となった。
2022年9月26日 市監査委員会事務局が要求書を門前払い
同日 馬毛島情報局が抗議文を提出
参考:馬毛島情報局が提出した抗議文
西之表監査委員殿
私が9月21日(水)に貴殿に提出した「西之表市職員措置請求書」につき、本日不受理との連絡を受けました。
1 議会開会中であるとの理由で不受理というのは、全く不当と思います。私は、八板市長の市長の仕事に異議を申したてているのです。
2 「違法若しくは不当な契約等が不明瞭で確認できない」とありますが、どういう調査を行った上でこの結論となったのでしょうか。
以上、この不受理という決定は監査委員としてあるまじき判断であると思います。誠意ある対応をお願いします。
2022年9月26日 三宅公人。
2022年10月4日 監査請求書を市民471名が再提出
2023年5月11日 市監査委員会が請求書を受理
最初の提出からなんと8ヶ月後の受理です。残る一ヶ月弱、監査委員2人の審理を見守りたいと思います。