「Saito Miki→琉球弧ピースネット」Facebookから転載させていただきました。
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(屋久島での防衛省説明会の様子が詳しくレポートされています。会場からメディアを排除しようとする誘導も多数決で粉砕、見事です。)
・3月16日午後7時~安房の町総合センターで開催された屋久島での「防衛省説明会」の様子を翌日MBCテレビは映した。
その数日前、説明会に臨むにあたっての「我が家の二人だけの作戦(?)会議」開催。すでに行なわれた種子島での説明会の様子が伝わっていたので、発言の機会があればと。
先ずは「マスコミ関係者のシャットアウト」が提案されるだろうから、それへの抗議と撤回を求める。うまく行けば、参加者側ペースでことを進めると考えました。
次に、2008年9月に防衛省が説明した「訓練空域半径45キロ」と「種子島・屋久島上空は飛ばない」の矛盾追求。そして、「拡張される屋久島空港滑走路を緊急着陸空港もしくは軍民共用空港の可能性」は。 この二つに絞って質問することにしました。
説明する壇上の防衛省側は10名。挨拶が済むと司会者は早速、「ここで報道関係者の方については退席のご協力をお願いします。
先週から種子島で説明会を開催していますが、そういった中で出来るだけ多くの方からご意見がいただきたい。自由な意見交換の場にしていきたい。カメラが入っているとなかなか発言しづらいという意見が出ましたので、報道関係者にはこのことでご案内をしている経緯もございますので。」と。
きた~!きました~!!
「ちょっと待ってください。」口火を切らせてもらうことになりました。
「ちょっと発言させてください。すみません。よろしいですか。」と勝手に立ち上がり、私の口が回りだす。
「永田から来ました。一時間かかるところなんですが。なかなかこの平日の夜7時から。みなさんがここに関心があったとしても集まってくるというのはなかなか難しい時間帯なんです。
その中でこれだけ大事な話を区民・町民が知る機会なのに。なかなか来ようにも来れない人たちがたくさんいる。
ここでどんな話がされて、どんな意見を出しているのか当然聞かなければいけませんよ。
皆さんも自信を持って説明されるのであれば、多くの町民がこのことでどんな説明がされて、どんな意見が出されているか。
そのことをオープンに出すべき。それをマスコミは出て行ってくれというのはおかしい。撤回してください。
ここにいないものに対して、あなたたちの意見をどのように伝えるつもりなんですか。
そういう意味で、マスメディアの大切さを分かって欲しい。撤回してください。
会場からの大きな拍手。続いての発言。応援ヤジも続く。防衛省側はただ「みなさんが発言しやすい環境を」の繰り返し。『それなら皆さんにマスコミのカメラが入ると発言しにくいのか問えばいい』と会場から。それにはさらなる大きな拍手。司会者も問わざるを得なくなった。
結果、マスコミ関係者排除に手を上げるものはゼロ。録音も録画もOKに。
そのあと、1時間10分にわたって防衛省の説明は延々と続き、時計は8時半を過ぎる。
[今後のためにも、会場からの発言内容をまとめてみました。]
質問時間に入り、
・トビウオ漁の音の影響・アカウミガメは光に弱いこと。
・マゲシカの減少への対応・微生物等といった自然界に与える影響や保護。
・馬毛島で室町時代の人骨発見。全島の遺跡調査と保全の在り方。
・歯止めが利かず肥大化する基地と米兵による犯罪。それを日本政府も警察も見てるだけで、取り締まることのできない沖縄の現実。
※ ( 米兵の犯罪に関して防衛省側はあきれる答弁!「米軍の犯罪は多いということですが、じゃあ日本人の犯罪はどうなのか」「論評はさけますが」と。会場からは怒りのブーイングが起こりました。)
※米軍基地があるが故の米軍による犯罪の多さの話なのに、話をそらすために基地に関係ない日本人の犯罪を持ち出すのはあんまりだ!
・白谷雲水峡近くで航空自衛隊がパイロット訓練を行ったこと。屋久島空港が閉まったあとの深夜、滑走路を使って、何日か大型輸送機がタッチ&ゴーを行ったこと。周辺の住民がその音にびっくり。その後、幼児が音が近づくと親にしがみつく。そんな事実も会場から報告。
・「調査をして不具合が生じたら、計画を取りやめるのか」と何度もしつこく迫ってくれました。「何が何でも作るというなら何のための説明会ですか」と。
・劣化ウランを積んでいる米軍。沖縄の現実からみる放射性物質放出の危険性。
・米軍や自衛隊機の事故を見ると安全性は考えていない。75年前の日本国全土が焼け野原になったこと。その反省が忘れられている。なぜ今基地なのか軍事拡大なのか。
・おかしい。答えになっていない。説明を聞いて力が抜けた。この説明には無理がある。もっと更新のために必要だというが、もっと大きな話かと。それは何年間有効なんですか。パイロットだけ行って訓練したらいいのでは。大きな戦力のために近くがと思っていたのですが、資格更新のためなら硫黄島でいいではないですか。
・タッチ&ゴーもわざわざ馬毛島に来なくても、母艦上でやればいいのでは。
・私達は世界遺産の屋久島という素晴らしいところに住んでいます。そのことと近くに軍事基地ができる。その整合性をどうお考えなんですか。
・かつて横須賀と横浜の間に住んでおられた方が、当時の騒音・頭上からの衝撃波が走る様子を語った。渋谷や明治神宮に米軍のヘリが降りる。それも日米地位協定でおとがめなし。
・印象的だった、母の思いからの発言。
子どもたちに残したいという未来は、多くの戦闘機が飛ぶ空ではない。穏やかに流れている島です。戦闘機を使わず、武力を使わず力ではなく、何とか言葉の外交による平和な社会を作ってほしい。
自衛隊の方々は2015年に口永良部の大噴火で島民に島外避難指示が出た時にさまざまな支援をいただき感謝している。でも、自衛隊の基地を作っていいことにはならない。基地を一旦造られるとさまざまな施設が作られ、将来軍事利用される。明日がある子どもたちのために馬毛島への基地はやめてほしい。
・時間がないということで最後の発言者になった女性。
話を聞いていると今後検討するというのが多すぎる。ほとんど明確に答えていない。もし、屋久島の上空を飛んだ。屋久島空港滑走路を利用した。事件が起きた。その場合は誰が責任をとるのか。明確に答えを と迫ってくれました。
それに答えることなく「時間がきました」で説明会は終わりました。
あっそれから。忘れてました。私も発言させていただきました。
それは冒頭に書いた質問=「訓練空域は半径45キロ」と「屋久島空港滑走路は緊急着陸地になるのか。」の2点。しゃべったことをそのまま載せますね。長くなりますが。すみません。お付き合いください。
ご存じのように馬毛島は平坦な地です。種子島へは12キロ屋久島へは40キロ。一番高いところでも72.1mしかありません。しょっちゅう風が吹きぬける。潮風が激しく吹き抜ける。そういう場所であることを少し認識いただきながら、私の話を聞いていただきたいと思います。
2008年9月ですけれども、当時の屋久島を含めて1市3町のリーダー、市長・町長が 防衛省に行ってFCLP反対の姿勢を示しました。その際に、防衛省は訓練空域は45キロということを言っています。45キロと言えば、屋久島までは40キロですから、一湊の矢筈から宮之浦、安房までかすめるんですね。全く屋久島に関係ないなんてことはありえません。それからもう一点。先ほど訓練機は常駐するものではないと説明されました。ということは、天から戦闘機はおりてくるわけがありません。どこかを通ってくる。あるいは海を渡ってくるわけです。全く関係ないというのはありえない。
あっちこっちからやってくるということは、当然、屋久島上空も種子島の上空も海域も通ってくるのです。ですから、影響がないとは考えられない。天から降りてくることはない。
そのことが一点。
訓練空域を45キロと防衛省はかつて説明した。そのことの関連を教えてほしい。
もう一つは屋久島空港滑走路拡張の問題です。2014年から2018年の5か年で福岡空港に349回、奄美空港に216回、種子島でも64回、米軍機が緊急着陸しています。
そうなると、当然近い屋久島空港も拡張した屋久島空港の滑走路は当然使うということになるのですか。緊急着陸空港だけでなくて共用ということも考えられる。そういったところをはっきり教えてください。以上です。
もう一つは屋久島空港滑走路拡張の問題です。2014年から2018年の5か年で福岡空港に394回、奄美空港に216回、種子島でも64回、米軍機が緊急着陸しています。
そうなると、当然近い屋久島空港。拡張した屋久島空港の滑走路は当然、緊急着陸空港だけでなくて共用ということも考えられる。そういったところをはっきり教えてください。以上です。
防衛省側は、「45キロの話は我々は聞いた覚えもありません。記憶もありません。それは正直どこから出たのか我々も過去の資料を調べましたが、出てきませんでした。」「種子島上空は飛ばない」「屋久島上空も飛ばない」を答えるだけでした。
また、屋久島空港の滑走路が拡張されることを我々は知らなかった」と。
多くのみなさんからの問いにほとんど答えられなかった防衛省でした。ただ根拠なく、「種子島・屋久島上空は飛ばない」といい、「何を言われても基地を作る。」そのことだけを印象づけた説明会でした。
会場の雰囲気にタジタジだった壇上の人たち。「私たちが後片付けしますから朝まで議論づけましょうよ。」の声も出たくらいでした。
事前打ち合わせをしたわけでもないのに、あらゆる角度からの質問。的を得たヤジ。そして拍手。心強いと感じました。 参加者は90人ということでしたが、有意義な時間となりました。
さまざまな形で取り組んでいるみなさん。「点」が「線」に。つながったひと時でした