**************
共産党と連絡会が防衛省交渉
9月10日(金)午後、日本共産党のオンライン防衛省交渉が行われ、連絡会もオブザーバー参加しました。連絡会では10人以上が事務所にあつまりました。オブザーバー参加とは言え、私たちが防衛省に疑問をぶつけ、それを田村議員がフォローして追及する交渉になりました。
午後3時半過ぎ、防衛省、東京田村貴昭衆議院議員事務所、共産党鹿児島県委員会、馬毛島連絡会事務所をズームで結んで交渉が始まりました。挨拶の後、まず防衛省の担当者が、共産党鹿児島県委員会が前もって提出していた質問状(別紙①)に対する回答を1項目ずつ読み上げました。なんら目新しい回答はありませんでした。
最初に連絡会の相談役、八板さんが発言しました。防衛省の回答は、これまでと同じの型どおりの回答であり、失望したと発言しました。そして、防衛省に市内の7団体が共同で提出した3回の質問状について、届いているかどうかについて、質問しました。特に8月に提出の質問状(9月1日の記事をごらんください)については、担当者は、全く知らないようでした。しばしの沈黙の後、ようやく届いていると答えました。
田村議員が回答の準備状況を尋ねたところ、担当者は、「1回目と2回目の質問状に対しては、4月に公表した(馬毛島Q&A)に書いてあると、これまでの対応を繰り返しました。3回目の質問状に対しては、何度かのやりとりのあと、対応を検討すると回答しました。
連絡会幹事の清水さんが、馬毛島の市道1号線と市有地である馬毛島小中学校跡地について、西之表市の立ち入りを拒否していることについて質問しました。
担当者は、目を泳がせ、沈黙し、しばらくしてからようやく答えました。その答えは、市道については、前地権者から道路指定は外れていると申し送りを受けたとの一点張りでした。また、馬毛島の国有地については、安全上の問題から原則的に立ち入りを拒否していると答えました。
小中学校跡地については、防衛省はこれまで市の立ち入りを認めてきました。今年は、申請書が出ていないとの答えでした。私たちが市当局から聞いているのは、防衛省に何度もお願いしているが認めてくれないとのことです。おそらく申請書提出以前にああだこうだと言っているものと思われます。
こちらからの「なぜ、申請書が必要なのか」という質問には答えませんでした。また、市道1号線の一部を前地権者のタストンエアポート社が損壊したこと、それをそのままの状態で購入した防衛省にも法的責任があるのでは、との質問にも答えませんでした。
申請書を出せば、一般市民も入島を許されるのか、との質問には、安全上の理由ということで、原則認めないとの答えでした。実は、田村議員が、先月国政調査権に基づいて現地調査を申し入れした時にも、安全上の理由ということで拒否されています。田村議員が、工事が始まっているわけでもなく、ライオンやオオカミがいるわけでも無いのに、どうして危険なのか、と質問しましたが、例のごはん論法で安全保障環境が変化して云々をくりかえすだけで、全く答えませんでした。
他にもいろいろ質問しましたが、きちんと答えようとする姿勢は無く、逃げに終始していました。1時間少々で終了しました。終了後、田村議員から、今回だけで無く、テーマを決めて何度も交渉しようと提案がありました。次回は、総選挙あけの頃になるもようです。今度は、きちんと準備をして望みたいと考えています。
昨日のしんぶん赤旗の記事です。ごらんください。
(別紙1)
2021年9月10日
防衛大臣 岸 信夫殿
日本共産党鹿児島県委員会
委員長 野元徳英
馬毛島への基地建設計画の白紙撤回を求める要望書
防衛省は、米軍の要請に応える形で、鹿児島県西之表市馬毛島へのFCLP移転のために、これまで馬毛島の土地買収をすすめ、既に99%の土地を取得したと報道されています。
貴職もご存じのように、この馬毛島の土地は、前所有者が違法に土地開発を行ったものであり、そのような違法開発された土地を国民の巨額の税金(160億円)を使って購入すること自体が大きな問題です。さらに、今回の馬毛島への基地建設は、これまで基地とは一切関係のない土地を新たに購入し、米軍のための施設を建設するという前代未聞の事態であるという問題も指摘しておきます。その後取って付けたように自衛隊基地建設計画が示されましたが、それによって、この本質的な問題が無くなるわけではありません。
こうした中、今年1月に行われた西之表市長選挙において、基地建設反対を掲げた八板市長が再選を果たしました。このことによって、地元である西之表市民の『馬毛島への米軍FCLP施設移転反対』の民意が明確に示されました。しかし、その後も基地建設のためのボーリング調査が強行されるなど、地元の民意を無視する対応が続いており、これまで平穏であった種子島島内に、かつてない大きな不安と混乱が生じています。
つきましては、このような状況を一刻も早く解決するために、下記の内容について早急にご検討いただき、ご回答くださいますようお願いいたします。
記
1. 1. 西之表市長選挙で示された民意を受け止め、馬毛島へのFCLP移転計画、自衛隊の訓練基地建設計画を白紙撤回すること。
1. 2. 西之表市長選挙で示された民意をどう受け止めているのか。また、八板市長から、今年になってからだけでも「馬毛島への施設整備に関する詳細検討及び外周道路の整備に係る入札行為の撤回を求める抗議文」(1月8日)、「詳細検討及び外周道路の整備に係る入札行為を撤回すること。海上ボーリング調査を中止すること。環境影響評価を実施しないこと。」を求める要請書(2月2日)が防衛大臣あてに提出されているが、現状では、この地元首長の要請等を全く無視する形で、事が進められている。この西之表市長の意向をどう受け止めているのか明確な回答を示すこと。
1. 3. 馬毛島の買収額160億円について、その根拠を示すこと。
『説明会等でのご質問とその回答』(10頁)の中で、根拠を示せない理由について、「それらの土地に係る利害関係者間で、各種の調整等がなされているところ」であるとしているが、「利害関係者間」とは誰のことか、「各種の調整等」とは何か。「適切な段階」とはいつなのか、それぞれ具体的に示すこと。
1. 4. FCLPの飛行経路について、この間、防衛省が示している経路図は、種子島空港や現状の馬毛島の滑走路の向きと違っており、種子島に係らない形で作図がされている。横風を受けないように滑走路は整備されることから、この作図の滑走路の向きは不可能ではないのか。もし、この通りだったとしても、米軍機は飛行経路通りには飛行しない。現に、奄美大島や薩摩半島において、日米地位協定で「配慮」するとされている学校や住宅地の上空を航空法違反の低空で飛行しているのが、目撃されており、それを国に示しても、全く改善されていない。米軍機の飛行訓練が住民を危険にさらしていることについて、国は、責任を取ろうとしていない。そのような現状の下で、前出の「回答」(5頁)には、「あえてこれ以外の経路を飛行することはないと考えています。」としているが、防衛省の考えではなく、米軍はどう考えているのか。この経路を約束しているのか。また、「何らかの理由で経路を外れた場合「適切に対処します」としているが、「適切な対処」とは何か、それぞれ具体的に示すこと。
1. 5. 「環境影響評価方法書」に対する西之表市長意見や知事意見の中で、マゲシカについて、生息環境、生息数、繁殖状況、産子数、生残数、食性、食物量など生体に関する調査とデータ解析を行い、具体的で適切な予測と評価を行うことを求めている。ところが、「回答」(2頁)では、「環境アセスメントにより、シカをどのように保全していくのか検討します。」と述べながら、続けて「一方で、種子島においてはシカによる被害も発生していると聞いており、多角的に検討したいと考えています。」と答えている。種子島では鳥獣被害をもたらすとしてシカの駆除が行われているが、マゲシカについて「多角的に検討」とは、どういうことをさすのか。マゲシカについての認識を示すこと。
1. 6. 住民からは「馬毛島に基地ができれば他国からの標的にされないか。」という不安の声が出されている。「回答」の最後に「参考」(P21)として、「馬毛島に自衛隊施設を整備する必要性」が述べられており、「住宅地に隣接していない環境」の下で、「訓練施設、飛行場施設及び港湾施設を1つの場所に設置」し「陸海空自衛隊が一体となって活動」でき、「部隊配備に加え、訓練や後方支援を実施」でき、「防衛体制はより強固なもの」となるとされている。それだけ、馬毛島が安全保障上、重要な役割を果たすとなると、住民の不安通り、より標的となる可能性が高まるのではないかと考える。このことについての防衛省の認識を明確に示すこと。
1. 7. 8月6日、防衛省は港湾施設のイメージ図を公表した。それによると、防波堤や桟橋など東海岸の恒久的な係留施設は沖合約1300メートルまで延びる計画となっている。報道では「事実上の空母に改修する海上自衛隊最大級の護衛艦『いずも』型も入港できる規模」とされている。他、基地工事用の仮設桟橋が3本、南部の揚陸施設も2か所示されている。「環境影響評価方法書」についての知事の意見も提出された後のこの時点での公表で、もちろん方法書には盛り込まれていない。方法書については、市長意見や知事意見の中で、対象や項目について、不十分さが指摘されている。今回の「港湾計画」のイメージ図の公表により、調査・予測・評価の対象自体が大きく拡大することから、「評価書」自体を見直し、再提出すべきではないかと考えるが、見解を求める。
馬毛島の東海岸沖は、トコブシをはじめとして、キビナゴ、トビウオ、アオリイカ漁の漁場として、漁民の暮らしを支えている。示されている港湾計画では、工事中はもちろん、完成後は、関係船舶や艦艇の出入口として恒常的に使用されることになり、漁ができなくなることになり、漁業者にとって死活問題となる。現在、ここを漁場として漁を行っている漁業者に直接、計画について説明をし、意見を聞くべきである。見解を求める。
1. 8. 馬毛島の地元である西之表市では、「馬毛島の活用策」を検討し、2021年度の活動案を防衛省に提出し協力を求めていると聞いているが、調査のための馬毛島への立ち入りについて、「国や開発会社の了解が得られず立ち入れないことから、馬毛島活用計画が暗所に乗り上げている。」との地元紙の報道があったがこれは事実か。事実であれば、今でも西之表市が所有する馬毛島の土地があるにもかかわらず、地権者の立ち入りを認めない理由は何なのか、このことについて明確に回答を示すこと。
また、馬毛島全体の99%が国有地になったとされているが、その国有地に国会議員が現地調査に入ることが認められなかったと聞く。その理由についても、明確にすること。
以上